岡本呻也著 文藝春秋刊 

「消費者主導」へのパラダイム・シフト

 不動産屋で探すにしても、何軒も不動産屋を訪ねて物件を見に行き、気に入るものがあるまで歩き続けなければならない。とてつもないコストを、゛金を払うため゛にかけているわけです。だけど不動産屋を探すというのは、゛三軒茶屋の駅からだいたい徒歩10分の物件を借りたい゛というのがこちら側の希望であって、ある特定のビルでなければ駄目というわけではない。つまりどの物件でもいいわけです。そこにあるのは゛買い手のニーズ゛です。

 では、もしネット上に゛三軒茶屋駅徒歩10分、50坪のオフィス物件が欲しい゛と買い手側が宣言して、それを見た不動産屋が条件に合ったオフィスを一生懸命探してきてくれるとすると、客の側が電話をあちこちに掛けたり、ダメモトで物件を見たりする諸々のコストを省くことができるわけでしょう。今後は、そういう゛買い情報゛をいっぱい集めてデータベースをつくると、商品を売りたい人はそこにアクセスして、汗水垂らして商品を探してくるというパラダイム・シフト(概念や枠組みの転換)が起こるに違いありません。すべての取引がそうなるとは言いませんが、確実に何パーセントかはそういう取引に移行するはずです。
 そうすると広告でも、現在の広告は売り手側が商品を広告していたのですが、反対に゛買い広告゛というのがメジャーになってくるのではないでしょうか。購買側が日経新聞に゛コレ買いたい゛という全面広告を打てば、売りたい人は必死になってこの条件に合った商品を探してきますよ。費用対効果を考えれば全面広告を打ってもコスト的に引き合う可能性も出てくると思います」
 実際に消費者側が商品や値段を指定し、それに見合った商品をマッチングさせるというネットビジネスは、自動車販売などの分野では軌道に乗りつつある。だが彼のアイデアはあらゆる商品、あらゆる取引について、今までの商習慣を根本的にくつがえすビジネスの可能性に及んでいる。

「ネットのおかげですよ。今までの土俵ではできなかったビジネスでも、ネットによって新しい土俵をつくることができたと思う。
 ネットは既に、゛一対一のコミュニケーション゛を超えてるんです。イージーシークは、特定多数と連絡することができる性能のいい電話器だと思っていただければいい。電話機に何十軒のショップの電話番号が蓄積されていて、利用者は゛これ買いたい゛と意思表示さえすれば自動的に相手に電話してくれて、しかも探している商品があった場合にだけ連絡が来る。すばらしいことじゃないですか。店を回ったりする手間が一切ないんですから。

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