岡本呻也著 文藝春秋刊 

第3章 インターネット市民革命前夜

市民革命

 1999年、渋谷の街を舞台にして、日本初の市民革命が成功した。ビットバレーの出現である。1枚の宣言文が仲間を動かし、その波紋がメディアを通して世の中全体に拡大し、政府や大企業の動向にまで大きな影響を与えた。
 ビットバレーの効果は、従来の日本の企業文化からはみ出たネットベンチャーが、ネットビジネスに関して大企業に大きく先行し、「ネットを使った起業」と、その特性を反映した新しいビジネス文化を確立したこと。社会経験のない者でもメインプレーヤーとして活躍できる新しい土俵をつくることで、これから社会に参画していこうとする若年ビジネスマンや学生たちの、組織や社会に対する参画意識を根本からひっくり返したことにあるだろう。ここにはまったく新しい価値観の萌芽がみられる。渋谷を震源地とした地殻変動は未だに鳴動を続け、全国に拡がりつつある。
 インターネット市民革命の流れについて後講釈することは簡単だ。パソコンの普及。ある程度十分な数のネットベンチャーの叢生。経済全体の停滞と低金利。バブル以後の学生たちの社会参加意識の変化、いくつかの幸運な要素がたまたま重なった結果であると。しかし数人の若者たちがこれだけ大きなムーヴメントを起こしたというのは、まさに明治維新に匹敵する歴史上の大転回と評価しても過分ではないだろう。
 では、ビットバレーが火付け役になったインターネット市民革命史を繙いてみよう。主人公はビットバレーの共同提唱者であるネットイヤーグループ代表小池聡、ネットエイジ社長西川潔の2人。ビットバレー事務局の宮城治男、同・松山大河といった面々。そしてビットバレーの住人である20代のネットベンチャーたち。
 まず最初に彼らの来歴とビットバレー前夜の様子を語らなければならない。起業家精神に溢れた彼らが、インターネットという武器にすることで、これまでの日本の社会通念とはまったく違った行動や考え方を身につけ、それを文化として社会に発信する前段階の話である。
 新潮流は、インターネットとともに、やはりアメリカからやってきたようだ。

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