HOME > 運営者人事考課 > 12-13イタリア旅行 > 12-13イタリア旅行 12/30 ピエンツァ オルチャ渓谷

12/30 ピエンツァ

ピエンツァ

 今度は私が左ハンドルを握る。「水曜どうでしょう」でイメージトレーニングを積んでいるのでバッチリだ。飯坂さんのナビゲーションに従って車を高速に乗せ、しばらく走って高速を降り、モンタルチーノ村のブドウ畑の中のくねくね道をひたすら走る。なんとものどかな所である。
 よくわからないのは、このラウンドアバウトの走り方だ。ラウンドアバウトがいいのは、信号機が要らないということだ。この国は日本と違って、信号機会社が警察利権になっていないということなのだろう。

 やがて丘の上に教会の尖塔が見えてくる。ピエンツァの町だ。駐車場に適当に車を止めて、町の中心部はどこかなと歩いていく。丘の上にある町なので、そこから見下ろすトスカーナの田園風景は、まさに見事の一言だ。
ピオ2世広場 町の門を見つけて入ってみる。非常に小さな町だ。この町は1458年にこの町出身のエネア・シルヴィオがピウス2世としてローマ法王になり、ベルナルド・ロッセッリーノという建築家を連れてきて、この町の中心部を理想的なルネサンス建築群に改造した名残を見ることができるとされている。実際どのようなものなのか、ぜひ見てみたいと思っていた。

 非常に小さな町なので、町の中心のピオ2世広場にすぐに着いた。ものすごい観光客の数である。こんな小さな町によく来るものだと、自分も来ておきながら感心する。
 この広場を中心に人文主義的なルネサンス空間をつくり上げようと、周囲の建物を壊して取り組んだのだが、確かに正面のドゥオモのファサードは初期のルネサンス建築になっているし、広場を取り巻く建物も基本的にはそうなのだが、きちんと左右均等な透視図法的世界を作り出しているとは言いがたい。
 理想はあったのだが、現実を変えられなかったか、未完成のままの空間として残っていたのだろう。
 しかし15世紀半ばにこのような形でルネサンスの建築的精神がだれにでもわかるように実現されたということは、その後の文化的な展開に大きな影響を与えた空間であることはまちがいないだろう。

ピッコローミニ館のテラスピッコローミニ館のテラス そういう感想を得て、広場に面したピッコローミニ館に入ってみる。この町を改造したときにつくられた、ピウス2世を輩出したピッコローミニ家の館だ。行ってみると、ガイドツアーで回ることになっているらしい。イヤホンガイドを渡されて「しばらく中庭で待て」と言われる。この中庭が非常に美しいルネサンス空間になっている。しばらくすると、他のイタリア人観光客の若僧どももゾロゾロは集まってくる。
 4時になると階段を上るように言われて、館の中に招じ入れられる。部屋に入るとおじさんは、イタリア語と英語で「何番のボタンを押せ」という。それで勝手に自分でイヤホンガイドで説明を聞いて、全員聞き終わったら次の部屋に移動するという、なんともぶっきらぼうなガイドツアーなのである。まあそれでも説明が聞けるだけましか。
 館の中はピッコローミニ家の昔の生活や当主たちの肖像画、蔵書などを展示していて、たいして面白いものではない。ツアーの途中でテラスから眺めるトスカーナの夕暮れの風景のほうがよほど印象に残っている。

 次に広場の正面のドゥオモに入る。内部はゴシックの空間になっている。たいしたものはない。
 広場の正面のロッジャに人だかりができているので何だろうと思って覗いてみると、老人がたくさんが集まって、テーブルの上に何かを投げて、どれだけテーブルの端に落とさずにとどめることができるかという競技をやってている。ゲートボールのようなものだろう。
 ピオ2世広場の空間をしばらく楽しんでから、午後5時この小さな町を後にする。

オルチャ渓谷ピエンツァの丘から見えるオルチャ渓谷、これも世界遺産。

 真っ暗な中を運転して高速道路に乗り、ペルージャを目指す。高速道路から降りたら、すぐ予約したアメリカンタイプのホテルがある。
 着替えて午後8時、タクシーを呼んでもらい、ホテルで紹介してもらった町の中心のリストランテ、ダ・チェッサリーノへ行く。ホテルはペルージャの旧市街の下に位置しており、そこから町の中心に行くにはつづら折りの道をずいぶん上らなければならない。 「これはすごいところだなあ」と飯坂さんと話す。
 リストランテは素晴らしい噴水のある町の広場に面している。店はすぐに満席になる。おっさんが注文を取りに来るのだが、到底人当たりが良いとはいえない。前菜にドレスドポーク、カルパッチョ、パスタ、フィレンツェ風ステーキ1kgを頼む。うまくて安い。大満足。この店は厨房の様子をガラス越しにテーブルからのぞくことができる。店の側の自信を示していることなのだろう。
タクシーを呼んでもらってホテルに帰る。



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これはあくまでも個人的な備忘のための旅行記であり、ここに書かれている情報を利用したためにどのような不都合があったとしても、当方は一切関知しませんので悪しからず。