HOME > 運営者人事考課 > 12-13イタリア旅行 > 12-13イタリア旅行 12/27 スカラ座

 ホテルでしばらく休んで、地下鉄に乗ってホテルから20分でスカラ座へ。近くてありがたい。チケットオフィスでチケットを受け取る。空席待ちの列がすごい。
 スカラ座今シーズンのオープニングを飾る話題の舞台「ローエングリン」の最終日である。午後7時開演。この作品はワーグナーが、女の好奇心に辟易したという個人的体験で作ったに違いないとわたしは信じている。
 感想としてはソプラノのアニヤ・ハルテロスは素晴らしく声が通っていた。この声を聞けただけで大満足。日本には「来る」と言って来ない「カウフマンのチケット買う不満」のヨナス・カウフマンは本調子じゃなかったんじゃないかな。この人、あちこちでローエングリンをやってるみたいだが、ローエングリンに合ってるかなあ。
 問題はクラウス・グートの演出で、こんな塩垂れたローエングリンは見たことはない。白鳥にひかれてやって来た瞬間に、床に延びている。その後も常に舞台でごろごろしている。こんなの白鳥の騎士じゃない。
 第1幕は不必要な小芝居が多すぎで、いちいち引っかかる。第2幕では小芝居は減るが、他の人がみんなきちんと芝居をしている中でローエングリンだけが、わざと筋や設定と逆のことをしている。
 白鳥の騎士というよりも、スカルピアに捕まった後のカラバドッシである。おそらく慢性腎臓疾患のあるローエングリンなのだろう。そうかと思うと第3幕では、偉そうに復活して歌っている。ローエングリンの設定に破綻があり、おもしろくも何ともない。ネズミよりちょっとましなくらいか。オペラの演出が筋道を離れて独自の解釈を要求するのはいかがなものか。そういうのが昨今はやりだが、全然面白くない。

 ところで今回は、平土間11列目の席だが、スカラ座の箱としての音響の良さがすごくよく分かった。木管の音が手に取るようにわかる。合唱も素晴らしい。第3幕では、金管を舞台セットの上階と、客席の左右後方上階席に配して、金管の音が客席にシャワーのように降り注がせていてすばらしい効果があった。こういう音響については、実際に体感しないとわからないものだ。
 「これで演出がまともだったら、最高のローエングリンだったのになあ」と思わず言ってしまう。
 初めてスカラ座で日本人と隣り合わせた。日本人率高し。0.5%はいるのではないか。

 公演は大成功で、いつものブーがない。客は外国人がかなり多いと思う。指揮のバレンボイムはにこやかに天井桟敷に手を振っていた。イタリアオペラでなければスカラ座は平和な場所なのだということが分かった。
 11時55分終演。拍手が続く。零時半、地下鉄でミラノ中央駅に戻ってくる。



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これはあくまでも個人的な備忘のための旅行記であり、ここに書かれている情報を利用したためにどのような不都合があったとしても、当方は一切関知しませんので悪しからず。