3月29日 ミュンヘン2




 早い時間に行けば、あんなどんちゃん騒ぎはやっていないだろうとホフブロイハウスに行ってみると、すでに大音響でブラスバンドがにぎやかに演奏している。こりゃダメだ。ここで神経をすり減らしているわけにはいかないので、店を出てサンドイッチを食べてまっすぐオペラ座へ。

ホフブロイハウスホフブロイハウス 座席は満席だ。今日の座席は前から4列目、やや左寄りにある。 音響を考えるともう少し後ろにすればよかったかもしれない。演奏は悪くないのだが、やはりよく聞こえない。ひょっとするとこの劇場は平戸間の後部か、2階席の方が良いのではないか。
 今日の演目はリヒャルト・シュトラウスとフーゴー・フォン・ホフマンスタールの「アラベラ」である。舞台は中央がピッチャーマウンドのように盛り上がった感じで、中央部分にデフォルメした家具を積んで、ウィーンのホテルの部屋の中を表現している。面白い。この舞台上でハイヒールで演技するのはかなり怖いだろう。そのてっぺんに大きなタンスが載せてある。アラベラの妹がマテオを連れ込むシーンは、このタンスの中に入ってガタゴト揺れるというなかなかの直接的な表現になっていた。舞台が動かないため、人物の登場方法や動作はかなり細かく演出されており、かなり面白い。昨日の仮面舞踏会と比べると、ぜんぜんましだ。
 アラベラの父親がコミカルだ。第二幕のコロラトゥーラは、まったく期待外れだった。ソロバイオリンがアラベラの歌と合わせるのは、かなり難しそうな感じがする。
 それにしてもわからないのは、私はアラベラというのは気の強い女性だと思っていた。それがクロアチアの田舎の大地主であるマンドリカの男としての強さと釣り合うから成り立つオペラなのだと思っていた。ところがこの演出では、かなり気が弱そうなアラベラになっていた。気の強いアラベラが、裏でマテオに恋文を書いているというのがおもしろいところで、これはいかがなものかと。まあこの辺、複雑なオペラですね。
 それと、この、マンドリカの故郷の風習で、求婚に応じるなら一杯の水を部屋の戸口に届ける、というのはかなり無理な設定のような気がする。バラの騎士も架空の風習だが、あれはなんとなく納得性がある。水を届けるというのはどうも……。

 10時30分、ホフブロイハウスの並びのレストランHaxnbauerに入る。肉のローストを食べさせる店である。北京ダックのようなもので、皮の部分がパリパリでうまい。ビールを飲んでホテルに帰る。

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これはあくまでも個人的な備忘のための旅行記であり、ここに書かれている情報を利用したためにどのような不都合があったとしても、当方は一切関知しませんので悪しからず。