3月28日 ミュンヘン2




フラウエン教会の塔フラウエン教会の塔 市庁舎の門を曲がってバイエルン国立歌劇場にたどり着く。予約していたチケットを2枚、チケット売り場で受け取る。客はかなり気合を入れてドレスアップしてきているようだ。劇場内部はとても美しい。天井に控えめに輝く大シャンデリア。2階から6階の客席は柱が大胆に省略されている。中央通路はないので、ドレスデンの劇場と同じような印象だが、ドレスデンより大きいのではないだろうか。王室用のボックス席を2つの女神像か飾っている。
 私の席は、前から3列目やや右よりである。自分で予約しておいて、こんなに良い席だとは思っていなかった。

 ヴェルディの「仮面舞踏会」は本当にオペラらしいオペラだ。グスタフ3世とオスカルにやや不満があるが、残りの歌唱は素晴らしい。合唱もよい。特にアメリアは第2幕以降全開で歌っていてよい。演奏はかなり早めで、ある部分は歌わせるが、ある部分はたたきつけるようにやっている。
 第二幕冒頭の「ここは恐ろしい場所」からグスタフ3世とアメリアの二重唱までは滅茶苦茶盛り上がる。大いに楽しませてもらった。
 ドイツ語字幕は舞台上部に投射されている。前の席のカップルがいちゃついて目障りだ。オペラでこんなにいちゃついているカップルは初めて見たが、このオペラは非常にロマンティックなのでまぁ許そう。それから他の演目でもそうなのだろうが、この劇場の舞台装置はいただけない。中途半端にモダンで、それを強調するような色遣い。照明も同様である。これはかなわん。どうせやるのなら、ベルリンの舞台のようにとことん吹っ切れてほしいものだ。

バイエルン州立歌劇場バイエルン州立歌劇場 第一幕と第二幕は続けて演奏されるのだが、幕間には全員追い出されて、客席の扉が閉じられてしまう。2階席ロビーに行ってみると、全員が一方向に右周りで回遊しており、その流れに逆らうことは難しい。水族館で回遊魚が泳いでいるようなものだ。「さすがドイツだ」と思わされる。劇場ロビーの装飾も装飾性の極めて少ない味気のないものである。
 第三幕の仮面舞踏会だが、じつに現代的なカラフルな衣装で、面白くも何ともない。中途半端な現代的群舞で、うざいとしか思えない。グスタフ3世の歌い手はでっぷりしたわがままそうなイタリア人で、声がいいのは分かるのだが、かなりムラがあるようだ。でもアメリアとの別れのアリアは非常によかった。演奏はよいのだが、オーケストラボックスの位置がかなり低いので、音が聞き取りにくい。第二幕の幕切れが実に弱々しいかった。
 全体的にはほどよく抑制を利かせて、興味深いオペラを作っていた。
 幕切れ後、ウィーンやベルリンのオペラ座は客席からのフラッシュの嵐であるが、バイエルンではいっさいこれがない。オペラ観劇の純粋形が保たれているようだ。これはこのまま保ってほしいものである。

 オペラ座を出て、すぐ近くのホフブロイハウスに行くが、バンドが「ブラジル」を大音響で演奏していて、怒号と口笛が飛び交っている。要するに全員できあがっている。オペラの後でここに入るのは全然いただけないので、オペラ座の広場まで戻って広場に面した店に入る。ポテトスープとソーセージを頼み、シュナップスをビールで飲むというのをやってみる。ここはミュンヘンなのだからこういうのもいいだろう。ビールがうまい。

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これはあくまでも個人的な備忘のための旅行記であり、ここに書かれている情報を利用したためにどのような不都合があったとしても、当方は一切関知しませんので悪しからず。