3月25日 アイゼナハ





 無理をして、アイゼナハへ行くことにする。8時11分発フランクフルト行きのインターシティに乗り込む。ドイツご自慢の超高速豪華列車である。ゆったりとした3列しかない座席の配列がすごい。これと比べたら新幹線など家畜輸送車にすぎない。美しいインテリアと照明のセンス、広すぎて通路に見えない通路、これは日本ではとってもマネのできない代物である。

 列車はライプツィヒで方向を変え、西へ向かう。10時、ワイマールに停車。ゲーテとバウハウスの街であり、ワイマール体制の地でもある。
バッハの像バッハの像 10時58分アイゼナハ着。トランクをコインロッカーに入れる。2.5ユーロ。
 てくてく歩いて最初に目に入ったバッハの家へ。観光客用の方向表示の看板で、日本語で「バッハの家」と書いてあるのだから仕方がない。ここはバッハの生家かもしれないとされている建物である。当時の民家の内部がわかるのはおもしろいが、たいした展示ではない。

 つまらないなと思っていたら、おばさんがドイツ語でなにかさかんにしゃべりかけてくる。どうやら10分ほど待てば何かの演奏をやると言っているらしい。しばらくしたら1階の大部屋に、他の数人の観光客と案内された。ここの人が説明をしながら古楽器を演奏して聞かせてくれる。足ペダルで空気を送るというオルガンである。250年前のハープシーコードやチェンバロの演奏を<ドイツ語と英語が混ざった説明で聞かせてくれる。これはなかなか貴重な体験だ。当時の弦楽器の展示もある。

ヴァルトブルク城
ヴァルトブルク城ヴァルトブルク城 12時、ヴァルトブルク城に向かう。この時期はバスが出ていないので徒歩で登らなければならない。たいした登山である。落葉樹の林の中を抜けて、分岐点があるので、杣人にどっちの道か聞きながらえっちらおっちら登っていく。

 やっとてっぺんの城にたどり着く。まったく絵に書いたような中世の古城である。だがこの時期、ドイツ語のガイドツアーしかない。あきらめてついて回る。12世紀に主要部分ができたこの城は、チューリンゲン方伯の居城であり、12世紀以降はミンネゼンガー(詩人)がしばしば招かれて歌合戦を行った。13世紀初頭の歌合戦は、ワーグナーの「タンホイザー」のモデルとなっている。これなんかもルネサンスの淵源のひとつである。
 ルートヴィッヒ4世に嫁いだハンガリー出身のエリーザベトは13世紀初めに施療院を建て、聖人に列せられた。これもタンホイザーのヒロインのエリーザベトとにつながっているのだろう。
 城の内部に入ってまず目につくのは、ロマネスク様式の柱頭だ。ドイツ語のガイドはさっぱりわからない。エリーザベトの間では、近年になって装飾された、エリーザベトの生涯を描いた壁画などを見る。城の最上階には、歌合戦の大広間がある。ここでは今でもしばしばコンサートが催されているらしい。「タンホイザー」の舞台を訪れることができたのはうれしいことだ。

歌合戦の間

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これはあくまでも個人的な備忘のための旅行記であり、ここに書かれている情報を利用したためにどのような不都合があったとしても、当方は一切関知しませんので悪しからず。