3月20日 クレモナ2



 このドゥオーモと広場を挟んで反対側に、ストラディバリウスのバイオリンコレクションがある。この町は、ストラディバリウスの街なのである。長い階段を上って博物館に入ると、博物館の人がカギを開けて中に入れてくれる。警戒厳重である。17世紀から18世紀のストラディバリウス、ガダニーニなど10本ほどのバイオリンがガラスケースに入れられて、ピアノ線で吊るしてある。静かながら全くまぬけな絵である。1台数千万円もする代物だから仕方はないか。
 ここは、人々の生活感が身近に感じられる小さな町だ。町はドゥオーモのある広場を中心にして城壁に囲まれていた。広場の間近に、1967年に発見されたという、かなり保存状態の良いローマ街道の遺跡を見ることができる。エミリア街道である。

ストラディバリストラディバリ 閉館時間が近いので、そこから駅に近い市立博物館まで歩く。ここにクレモナ派絵画とストラディバリの博物館がある。美術館の中にはストラディバリの自筆の手紙やらなんやら、かなり展示物がたくさんある。美術館の横にストラディバリの家があるというのだが、工事中である。

 そこからまた広場に戻ってきて、ドゥオーモの隣にある洗礼堂に入る。洗礼堂の内部は思ったよりも大きな空間で驚かされる。がらんどうである。内部の柱はロマネスクだが、祭壇はけばけばしいバロックだ。この祭壇を無視しさえすれば、落ちつける空間だ。
 今度はドゥオーモの中に入ってみる。ファサードの内側には1521年に描かれたというベネチア派の巨大なキリストの磔刑図とピエタ、昇天の壁画が描かれている。大迫力だ。身廊の上には、パルマのドゥオーモと同様に受胎告知からのキリストの一生が描かれてあるのだが、暗くてよく見えない。ドームをはさんでかなり長い交差廊がある。正面の祭壇にはマリア昇天が描かれている。とにかく迫力がある。キリスト教においては、天地創造から最後の審判まですべてはキリスト教の摂理が支配していることになっている。教会は、その教義を刷り込むツールなのである。
 ファサードの彫刻は13世紀というが、本当だろうか。夕方になると、ますます広場はにぎわってきた。

大聖堂大聖堂 食事はホテルのオヤジの勧めに従って、ホテルの向いの店で食べてみる。近所の若僧の溜まり場のような店で、うまいのかどうかかなり不安だ。発泡性の白ワインはたいしたことはない。赤もたいしたことはない。ビールも頼んでみる。ハムの盛りもいいし、どうやらまずくはない。パスタはやはりイタリアでも南の方がうまい気がする。ついでにティラミスも食べていく。しばらくすると満席になった。流行ってるのかな。さて勘定という段になって、ホテルに財布を忘れてきたのを思い出す。カメラを預けて取りに帰る。どうも若僧が多いと思ったら、今日は週末か。
 ドゥオーモも鐘楼も見事にライトアップされている。素晴らしい眺めである。ステンドグラスというのは内側から見るものだと思っていたが、外から見ることもできるということを知った。夜のクレモナを散歩するのはめちゃくちゃ楽しい。週末の夜はカップルの町だ。どの店もやかましい音楽をかけている。

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これはあくまでも個人的な備忘のための旅行記であり、ここに書かれている情報を利用したためにどのような不都合があったとしても、当方は一切関知しませんので悪しからず。