17日 フェラーラ2



サヴォナローラサヴォナローラ 城の裏手に回って、1135年に建てられた大聖堂を見る。ロマネスクとゴシックにまたがった建築である。教会の内部はバロック風だ。その正面に、この街で生まれたサヴォナローラが、石像になってまで民衆を扇動している。困ったおやじだ。

 その横の素晴らしく美しい広場(教会の横にへばりついている、広場に面した商店が面白い。それと、街灯のデザインが広場によく似合っている)を抜けて、エステ家の別荘であるスキファノイア宮殿に向かう。大聖堂大聖堂この町の中心街は、赤レンガが非常に美しい。それと、民家も窓を非常に美しく装飾していて、窓を見て歩くだけでも面白い。建物はフィレンツェに比べれば極端に小さくなるのだが、家ごとに個性的な工夫をしているようだ。

 スキファノイア宮殿は市立の美術館になっているのだが、展示品にはさしてたいしたものはない。ただし、2階「12カ月の間」の壁を飾るフレスコ画は非常に面白い。この場所は大ホールで宴会や舞踏会をやっていた場所らしい。1469年から1470年にかけて描かれた大壁画である。絵は三段に分かれて描かれている。だいたい上の段にはギリシャ神話の神が描かれていて、かなりエロチックな主題がもあるらしい。また昔はフェラーラは名馬の産地だったようで、馬もたくさん描き込まれている。
大聖堂横の広場大聖堂横の広場 ルネサンス様式の宮殿などもイメージとして描かれている。エステ家の人々も描かれており、下の段では狩りに出かけてきて獲物を抱えて帰ってくるというテーマが多い。入り口に近い壁の下部にはローマの遺跡などが描かれている。この絵画全体ではキリスト教の主題がぐっと引っ込んでいることが明瞭で、かわりに生活や労働を楽しむ姿が生き生きと描かれている。

 そこからまたしばらく歩いて、コルプス・ドミニ修道院に行く。ここは1508年創建のフランチェスコ派の修道院で、エステ家の墓所である。入り口がよくわからないのだが、呼び鈴を押していると修道女があけてくれる。祭壇の前の床に、大理石造りの6つの豪華な墓があって、ルネサンスの主人公のひとりであるエステ家の人々が眠っている。上の段の真ん中がアルフォンソ1世。その右がルクレツィア・ボルジアの墓だ。小さいながらもなかなか荘厳な空間である。

 城に戻ってトランクを受け出し、城の前の広場にたむろしているタクシーで駅へ。18時14分の各駅停車でラヴェンナに向かう。
 ラヴェンナのホテルは日本からインターネットで予約した、駅前のホテルである。夜も遅いので、ホテルのレストランで食事をするが、なかなかうまい。『ルネサンスの女たち』を引き続き読んでいると、ウエイトレスが漢字に興味を示して寄ってきたので、口絵を見せると「イザベッラ・デステ!」「ルクレツィア・ボルジア!」とかなり驚いた様子。日本人がそういうのを知っているのがよほど珍しいらしい。途端にサービスが良くなった。マールを飲んで寝る。

b.pnga.png

これはあくまでも個人的な備忘のための旅行記であり、ここに書かれている情報を利用したためにどのような不都合があったとしても、当方は一切関知しませんので悪しからず。