3月14日 ローマ2



 駅前から910番のバスに乗って、ボルゲーゼ公園へ。この公園はよく整備されている。休日なので大変賑わっていて、いろんな乗り物がのろのろと講演の中の道を走っている。みんないろんな種類の犬を連れて歩いているので面白い。ベンチに腰掛けてジェラートを食べる。目の前で自転車の子供が転んで火のついたように泣いている。

 1時15分前に、ボルゲーゼ美術館に行く。ここは予約しないと入れないそうなので、わざわざインターネットで予約して行った。地下のチケット売り場で名前を告げると、名前の入ったホルダーに上をうやうやしく入れたチケットを渡してくれる。荷物を預けていったん外に出、正面入り口から入るようだ。時間になると、入り口が開けられて、待ってる人達が皆んな中にぞろぞろと入っていく。 

ボルゲーゼ美術館ボルゲーゼ美術館 この美術館は、ボルゲーゼ枢機卿が17世紀に建てたもので、実にバロック的な優美な外観を持っている。1階のホールは、これがまた壮麗な装飾に満ちていて、驚かされる。教皇庁の迎賓館としての役割も持っていたということだ。
 このホールを囲んでいくつかのの部屋に展示室が分かれているが、ほとんどが彫刻で、絵画を展示しているのは1つの部屋だけである。

 この美術館の目玉は、ローマのバロックの担い手となったベルニーニの彫刻である。まず最初に目にするのがダビデ像。ベルニーニの「ダビデ」は、まさにこれからゴリアテに対して石投げようとしている瞬間をとらえたもので、その動きの表現が素晴らしいだけでなく、優美さも兼ね備えている。若々しくを簡潔な表現である。
 「アポロとダフネ」は、アポロに追いかけられダフネがまさに月桂樹に変身しようとする瞬間をとらえたもので、まったくもって天才的なアイデアと、その表現技巧に支えられたまったくすばらしい彫刻だ。実に非現実的な場面を表現しているのだが、無理を感じさせない。音楽的ともいえるような動きが見事にとらえられている。しかもその手足の太さ細さのバランス加減や、動きの表情が実に優雅でバロック的だと思う。そしてまたこの2人の表情がなんともいえずにいい。驚くべき彫刻である。このような表現が人間に可能なのだということに改めて驚かされるほどである。
 またこの像が置かれている位置・角度もとてもいい。部屋の入り口に立って一目見ただけで、その素晴らしさが目に飛び込んでくるし、ライティングも非常に工夫されている。

 「プロセルピーナの略奪」は、これもまたまさに一瞬の表情を捕らえていて、今にも動き出しそうな大理石の像である。ベルニーニは、大理石の中に人物の動きを封じ込めている。そして彼の手にかかると、筋肉すら大理石で表現されている。プロセルピーナの柔肌にプルートの指が食い込んでいるのだが、これですら非常に優美な感じがする。よく見ると、細部が全体を支えていることがわかる。
 最後の一部屋だけ絵画が展示してある。カラヴァッジオが多かった。ダビデとゴリアテの首が印象に残った。画面を強烈な光が支配している。ゴリアテの首を見つめる少年の複雑な表情は何を意味しているのだろうか。この美術館が持っているはずのラファエロやクラナッハは展示されていなかった。しくしく

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これはあくまでも個人的な備忘のための旅行記であり、ここに書かれている情報を利用したためにどのような不都合があったとしても、当方は一切関知しませんので悪しからず。