3月13日 ローマ2





 アヴァンティーノの丘をチルコ・マッシモの方に降りてくる。10万人を収容したという大競技場の跡地である。あまりにも大きいので、今までここに踏み込む勇気はなかったのだが、今回は自転車なので縦断してみようと考える。ただの原っぱだと思っていたのだが、競技場の一番東端に観客席の一部分が遺跡として残っていることに初めて気がついた。
 チルコ・マッシモの中を自転車でスイスイ行くのは気持ちがいい。ほとんど公園として犬の散歩ををしている人が多い。観光客も少なくない。いかにも卒業旅行に来ている女子大生にパラティーノの丘をバックに写真を撮ってくれと頼まれる。「ここは何の遺跡か知っているのか」と聞いても、知らないとの返事。「ベン・ハー」を見たことがあるかと聞いても、名前すら知らないという返事なので、なかなか困ったものである(まあ、あれはここじゃないけど)。

 チルコ・マッシモを縦断してサンタマリア・コスメディン教会へ。ここも単純なバシリカ会堂である。窓が小さいので身廊の中は非常に暗い。相変わらず真実の口の前ではみんなが競うようにして写真を撮り合っていた。この教会にはおそらくロマネスクの趣のある塔が付随している。

マルケルス劇場マルケルス劇場 教会の前には、非常に保存状態の良い神殿建築が2つある。どちらもコリント式オーダーに囲まれたウェスタの円形神殿と紀元前2世紀のポルトゥヌス神殿である。
 これを見ながらティベレ河を渡って川の中州にあるティベリーナ島へ。この島はローマ時代から続く病院の島である。医学の神殿の後に立っているサン・バルトロメオ教会に入ってみる。バロックの教会だ。
 どこもかしこも警官がものものしく警備している。テロの影響で観光地の警備は非常に強化されたようだ。その分治安が良くなって助かる。
 紀元前62年にできたというファブリチオ橋を渡って、マルケルス劇場の遺跡に入ってみる。その外壁はオーダーを使った装飾でアーチを飾っており、その意味でコロセウムの原型である。1世紀の建築であるにもかかわらず、今でも集合住宅として使われているというのがすごい。

そこから、すぐ近くのサンタンドレア・デラ・ヴァッレ教会へ行ってみる。この教会はトスカ第一幕の舞台だ。非常にごてごてした装飾にあふれたバロック教会である。アプシスには、キリストの磔刑図が。ドームの天井画も素晴らしい。入ってすぐ左手のバルベリーニの礼拝堂は、どういう案配だかわからないが、トスカの礼拝堂という看板が掲げられている。

サンタンドレア・デラ・ヴァッレ教会サンタンドレア・デラ・ヴァッレ教会 教会を出て、ナボナ広場をまわりこみ、広場の西側にあるサンタ・マリア・デラ・パーチェ教会のファサード(1656-57年)を見る。狭い広場に面した教会の正面を大胆に曲げて印象的なものとすることに成功している。その後、ナボナ広場の北側にある、古代ローマ時代この広場にあった、ドミティアスの競技場の遺構を見る。

 次にナボナ広場に行ってみる。土曜日の昼間の広場は、観光客と市民で、大変な人ごみである。このベルニーニの3つの噴水を持つ広場を自転車でぐるぐる回りながら、噴水の彫刻や、広場に面した家の様子、休日を楽しむ人々やパフォーマンスをやっている人たちの姿を見るのは、実に楽しいことだ。

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これはあくまでも個人的な備忘のための旅行記であり、ここに書かれている情報を利用したためにどのような不都合があったとしても、当方は一切関知しませんので悪しからず。