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第八章 相手の心をゆりうごかす


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来月お時間があったら商談の時間をいただきたいのですが



二回目の訪問の時に、Mさんの気持ちの中では、「まだちょっと早いのではないか」という感じがあったのですが、定期訪問を持ちかけてみました。一緒に訪問をしていた次長が、とても話を盛り上げるのがうまい人だったのです。
この時は、次長が「仕事の話はさておき、わたしはお酒を飲みに行くのが好きでして……」という話をして座を和ませた後で、お客さまのネクタイを見て、「あっ、エルメスがお好きなのですか?」と仕事とまったく関係のない話から先方の気持ちの中にうまく入り込んでいきました。Mさんはそうした相手の気持ちの流れを読んで、「これであれば定期的な商談を持ちかけてもOKしてもらえるのではないか」と考えて、「ところで来月の二九日ごろにお時間があったら商談の時間をいただきたいのですが」という話に持っていったのです。
すると先方は意外にもあっさり、手帳を繰って「それなら何日がいいですよ」と応じてくれて、お互いに定期訪問をするというつながりができたのだそうです。もうこの時点では、バイヤーさんはMさんたちある程度を信頼して、心を許していたということでしょう。

バイヤーさんと面談を続ける中で、先方から情報を取りつつ、その数字を折り込んでさらに信憑性のあるデータを持っていきながら、Mさんたちは毎回同じような提案を続けていきました。
もちろん「ライバル企業がどのくらいリベートを出しているのか」という肝心な情報も収集しました。この数字がいい加減だと、ライバル企業に勝つための数字を織り込んだ勝負の提案をするときに、まったく現実的でない提案をすることになってしまいます。だから情報収集は最重要でした。彼らはこうやって、だんだんと相手の気持ちに近づいていきました。

さらにこれまでは、Mさんと次長と先方バイヤーさんとの個人的な関係でしかなかったのですが、会社対会社でも気持ちのつながりをつくっていく必要があります。
そこで三回目から四回目の定期訪問の時に、「もし弊社との取引を広げれば、これだけ売り上げが上がるポテンシャルがあるんですから、半期の取り組みを考える販売政策会議でもしてみましょうよ」と持ちかけました。そしてすんなりOKしてもらうことができたのです。
ここまでで最初に接触してから一年間が経過していました。実にじっくりと時間をかけながら、相手の気持ちに近づいていることがわかります。相手の安心と信頼を、無理をせずに獲得していったわけです。

政策会議の出席者は、先方のバイヤーさん四人とバイヤーさんの上司である次長、◎◎化学側はMさんと次長と部長なのですが、最初の政策会議には◎◎化学の取締役営業部長にも出席してもらい、「◎◎化学側は会社ごと取り組んでいますよ」という姿勢を示しました。

政策会議は三回行ったのですが、そこで話された内容は、これまで説明してきた、「もし◎◎化学の製品を入れた場合の売り上げや利益の予想データーについてでした。
Mさんは、バイヤーさんや、競合のドラッグストアを含めて商品を卸している問屋さんから情報を拾い集めて、先方の売り上げが伸び悩んでいることを知っていました。つまり◎◎化学側は「こちらの提案が受け入れられやすい状況にあること」をつかんだうえで会議に望んでいたのです。相手の手の内を知ることのできたこの情報収集は貴重でした。
三回の会議を通して、◎◎化学の提案内容を全員が共有するとともに、またパートナーとして付き合っていくベースとなる信頼も生まれていったに違いありません。

三回目の政策会議の時に、Mさんの上司である次長が、「これだけのポテンシャルがありますし、当社としては役員を含めた取り組みをさせていただいておりますので、実際に商品を入れてみたらどうなるか、まず店舗で実験してみましょう」と提案しました。それに対して先方の次長が「じゃあ、一店舗からやってみましょう」と言ってくれたのです。
それを聞いたMさんは、「よい流れだな。半年後には納入できるかもしれない」という感想を持ちました。その会議でどの店舗で実験をするかを決めて、三カ月後にその結果を見るための政策会議をやることに決定しました。
三カ月というのは、二月ごろに棚割をするので、それに間に合わせるためにはだいたい三カ月後に結論を出していただきたいというところから逆算したスケジュールだったそうです。



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人間力営業 目次

人間力とは「相手の心をうごかす能力」のこと

欲を抑えよう

 第一部 できない営業マンの犯している3大タブー

第一章 「【相手】と【自分】は違う」ことが徹底的にわかっているか


ジコチュー営業がダメな理由 「人間力」の最大の敵はジコチュー

第二章 お客さまと「心が通じ合って」いるか


なぜいつまでたってもお客さまの心に訴えられないのか

第三章 営業の突破力は「心の底から相手の望みをかなえよう」と思うこと

「とりあえずノルマをこなそう」では、いつまでたっても這い上がれない

 第二部 「人間力」のUPのために

第四章 「人間力の三要素」その一 心の窓を全開にせよ


「人間力の三要素」は人間関係の必殺技

第五章 「人間力の3要素 その二 いつもリラックスして仕事する


ガツガツしていては、お客さまは逃げてしまう

第六章 相手に気を向けてよく観察し、相手の望みをかなえよう


相手を理解する前に売っても売れない

 第三部 お客さまの信頼を獲得しよう

第七章 相手の心をつかみ、相手の心に近づく

相手の心をつかみ、心に近づく3ステップ

第八章 相手の心をゆりうごかす

潜在ニーズにヒットさせれば、相手の心は大きくうごく












人間力とは、「大人になること」と見つけたり













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“オープンソース型ビジネスマン”の生きる道 目次オープンソース型ビジネスマンの生きる道


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人間力ラボ 「人間力」とは相手の心に働きかけて、人を動かす力のこと