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「人間力」をめぐる冒険

「心の通じ合い」がないと営業はうまくいかない







インタビュアー 飯坂彰啓
答える人    岡本呻也

岡本 それで、講演より聞き手の反応がわかりやすい研修を何度かやってみて、「ものすごく大切なことが伝わりにくいなあ」と感じたことがあるんです。今日はそれについて話したいと思います。

飯坂 ほう、なんですかそれは?

岡本 研修をやっているとすごく面白くて、聞いてる人がちゃんと理解できているかとか、よくわかっていないみたいだなとか、半身に構えてこちらを警戒しているとか、疲れているなとか、講師には手に取るようにすべて伝わってくるんですよ。それは講演でも一緒なんですけどね。
 その結果として、もう少し人間力講座の中で強化しなければならないなと感じたのは、人間力というのは相手の心を動かすことが目的になるわけですが、そのためにはどうしても、突破しなければならない関門があるということです。これをわかっていただかないと、講演を聞いて人間力をもっと発揮するためのポイントをちゃんとご納得していただいたとしても、まったく元の木阿弥です。
 それは何かというとですね、「人間力」を発揮したいと思ったら、「相手の心と自分の心が通じ合っていなければならない」ということなんです。その状態が理解できているか。常にそうしようと心がけているかどうかは、対人スキル上の一大問題なんですよ。

飯坂 まず前提として、「相手の心と自分の心は違う」ということがあって、しかもそれが通じ合うコミュニケーションがなければならないということですね。

岡本 その通り! それができていなければ、相手の心を動かすというのは不可能なんです。

飯坂 それはそうだよ、作用できないんだから(笑)。

岡本 ところが今の営業マンはどのような状態に置かれているかというと、まず販売ノルマがありますよね。それを達成するためには、いろんなプロシージャーを踏まえてやっていますから、時間に限りがあるわけです。法令遵守はうるさいし、個人情報保護には気を配らないといけないし。それでいて「残業するな」とも言われますしね。矛盾してますよ。それに、半期に1度は新製品が出て、機能が増えたり他の商品と融合したりして、おぼえなければならないことが山ほどあります。
 でも、みんなすごく真面目なんです。だから営業マンは何を考えているかというと、「まずなによりノルマを達成したい」という強い責任感があるわけです。

飯坂 なるほどね。これはたとえ話なんですけど、最近の若者でなかなか就職できない人が、「ぼく何か悪いことをしたのかなあ?」と言っているのをテレビで見たことがあるんですよ。

岡本 面白い。「普通のまともな生活をしていれば、仕事は自動的に降ってくるものだ」という考え方ですね。

飯坂 「悪いことさえしなければ、みんながなる社会人なるものに自分も当然になるはずだ。生活のために給料をもらわなければならないので、仕事を与えてもらえるはずだ。仕事というものは、誰かの指示に従ってまじめにやればそれでいいのだ」と考えているんでしょうかね。下級公務員的労働感がスタンダードになってしまっているのかな。
 そういう「まじめな」人は、上司からノルマを言い渡されたときに、「ノルマを達成できなければ悪なのだ」と素直に考えてしまうのでしょう。悪いことをするのはよくないから、ノルマは達成しなければならないと。

岡本 その人なりの誠実さなんでしょうね。

人間力とは、「大人になること」と見つけたり

「人間力」エピソード101本

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