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「人間力」をめぐる冒険

感覚的、非論理的、その場限りの話に騙されるな







インタビュアー 飯坂彰啓
答える人    岡本呻也

岡本 ところが、たぶん講演を頼んでいる人は、人間力とは何なのか=自分が知りたいことに合っているかどうかをあらかじめ確認せずに、すごく感覚的に講演や研修を頼んでいるケースが多いんじゃないかと思うんですね。なぜかというと、人間力について少なくともぼくが納得できるようなちゃんとした説明ができている人は、なかなかいないと思うからなんです。
  説明がね、どこか欠けていたり、足りないんですよ。論理的な話というのは、要素が漏れなくカバーされていて、かつその要素間の関係が構造化されていなければなりません。それがてきていなければ、感覚的な話に過ぎないんです。それじゃあ、「お話」としては面白いかもしれませんが、その場限りで後に残らない。翌日になったらきれいに頭から消えてしまってますよ。
飯坂 でしょうね。
岡本 ぼく自身は、この前の話でも明らかにしたように、「人間力とは、仕事ができる人、健全な社会生活をおくっている人が持っている、すぐれた社会的能力である」というふうに、人間力をやや限定して考えています。
 この、相手の心にはたらきかけて、人を動かす力のまわりに、いろんな知識や他の能力や、経験、資源がくっついて、人間の綜合能力になるわけであって、そのコアになる部分が人間力であると、わたしは位置付けています。これを若いうちに身につければ、ビジネスマンとしてのその後の成長がとっても楽だし、速くなると思うわけです。
 現在、いろんな人が人間力について考察を進めているようで、もっと幅広く綜合的に人間力を規定しようとする試みをやっている人もいるようです。だけど、よく役所やコンサル会社が、学者の先生に依頼してつくってもらっている人間力の定義にありがちなのですが、「人間力は総合力だから、あれも入れようこれも入れよう」と間口を広げ過ぎると、こんどは教えられなくなっちゃうと思うんですね。
  5項目以上になると到底おぼえられないし、現実的なビジネスの現場では使えませんよ。「この12項目が人間力だから、明日から毎日気を配って向上させるように。各部署に徹底せよ!」なんて言われても、ついていける人はいないでしょう。

飯坂 間口を広げた方が納得性が高くなると思っているのかな。
岡本 たぶんね。でもぼくは、その方法はまちがってると思うんですよ。
 人間力は言葉の上からして、確かに綜合的な能力だと考えることもできます。だけど目的に先回りして考えると、人間力の目的は「相手の心をどうやって動かすか」にあるわけですよ。人間はひとりでいたのではまったく意味がないわけですから。
 とすると、そのために必要な幅広い能力を身につけるとっかかりとして注目するべきは、社会的能力だとわたしは思うんです。

人間力とは、「大人になること」と見つけたり

「人間力」エピソード101本

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