人間力の定義
「人間力」とは、仕事ができる人や、健全な日常生活をおくっている人が持っている、すぐれた社会的能力のこと
=相手の心にはたらきかけて、人を動かす力
飯坂 悪いんですけど、ぼく「スター・ウォーズ」一本も見ていないもので、わからないんだけど。9本全部揃ってから見ようと思うんでね。
岡本 あと10年かかりますよ。
飯坂 結局揃わなくて見れなかったりして。
岡本 それは大丈夫ですよ、資本主義の世の中ですから。
じゃあこれは知ってるでしょう、ダース・ペーダーとか、帝国の皇帝というのは、もともとジェダイだったのですが、フォースの暗黒面に落ちた人だという設定になっていますよね。
「人間力」にはね、暗黒面があるんですよ。
さっき「人の心をコントロールする」って言ったじゃないですか。相手の心が弱っている場合は、簡単に相手の心をコントロールできるんです。一部の金満宗教や詐欺師がやっているのはそれなんです。オレオレ詐欺のことを考えればわかるでしょう。
医者の世界では「ヒポクラテスの誓い」というのがあります。医者にかかりに行く患者は、身体が弱っているだけではなくて心も弱っているから、その心を手玉にとって医者の思う方向にもっていくのはすごく簡単なことなんです。それをやってはならない、あくまで患者の利益を計り、立場によって患者を差別しないということがヒポクラテスの誓いの中に書いてあります。
プロである医者はそうでなければならないんです。プロフェッショナルは信義則を守らないとならないのです。
飯坂 それがギリシャ・ローマ時代にあったというのは、人間というのはなかなか捨てたもんじゃないですね。
岡本 ギリシャ・ローマ時代には、すでに人間の英知はある高みに達していたし、「人間力」も完成されていたということなんだと思いますよ。ぼくはギリシャ・ローマ時代よりも人間が先に進んだとは、これっぽっちも思っていませんからね。ひょっとしたらあの時点から若干後退してるかもしれない(笑)。
飯坂 あらかたのコンセプトは、その時代にできてしまっているかもしれませんね。
岡本 それで大切なのは暗黒面の話なんです。「人間力」というのは、相手の気持ちをコントロールするということも含むわけですが、それを決して悪用してしまってはならないわけです。倫理にもとるようなことをしてはならない。信義誠実の原則を踏み外してはならない。相手の気持ちが読めたからといって、アンフェアなことをしてはならないというのがすごく重要なポイントです。
それができない人に、「人間力」を教えるとまずいんですよ。
飯坂 確かに有用なスキルというのは、悪用すれば悪者のためにも役立ってしまうことになるからね。
詐欺師とかヤクザにとっても、この考え方は役立つかもしれないね。
岡本 違うんですよ、ヤクザの方が普通の人よりも「人間力」がもうすでによく分かってるんです。相手の気持ちが読めなければ、相手をうまく脅したりできないですから。彼らはその部分については見事に身につけているんです。任侠映画なんかそれしか描いてないんですから(笑)。
しかし問題は、彼らは暗黒面に堕ちてしまっているということなんですよ。そういう人は、結局長期的に見ると損をすることも少なくない。少なくとも良心の呵責に苦しむことになる。要するに、畳の上で安らかな気持ちで死ねないということです。
それでは人生、おもしろくないでしょう。だから「人間力」の暗黒面に決して堕ちてはならないんです。
これは、「人間力」講座にあたって、絶対に忘れてはならないことだと思っています。
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