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「人間力」とは、大人になることと見つけたり

自分にないからわかるんです







インタビュアー 飯坂彰啓
答える人    岡本呻也

人間力の定義 
「人間力」とは、仕事ができる人や、健全な日常生活をおくっている人が持っている、すぐれた社会的能力のこと
=相手の心にはたらきかけて、人を動かす力

岡本 どういういことかというと、「人間力」講座のコンセプトは非常にシンプルなんですが、人間は3次元の世界に生きているから、2次元のことはよく理解できても、3次元の世界の認識には限界があるってことがあるでしょう(だから「なんでも図にして説明しろ」なんて本が売れたりするんですが)。それと同じでこの講座で取り扱っているのは、人間の認識構造の中で理解するまでには時間がかかる、つまりある発育ポイントを過ぎないと身につけることが難しいことについてだからだと思うんですね。
 ここは重要なポイントなのですが、パーソナル・コミュニケーション・スキルを扱っている研修は他にも山ほどあります。でも、この講座がそれらと根本的に違うのは、「他人に対する社会的な働きかけ方」を「構造化」して理解してもらうことにあるんです。それなしで、いくら目先の相手に対して「このように振る舞ったほうがいいですよ」と教えてもあまり意味はないんですね。
 ところがその「構造化」は、心の中のはたらきについてなので、まだ自我が確立できていない人だと理解することができないんですよ。ちょっとむつかしく感じちゃうらしいんですね。だから女子大で「人間力」の話をするときは、恋愛論として話したんですよ。そうすると、いちばん興味のある話だから食いついてきますよね。
 
飯坂  「人間力」は恋愛にだって役立つよね。

岡本 それで私としては、「この講座の受講対象は、入社3年目以上の人がいいんじゃないですかね」と人事部の人には言ってるんです。
 というのはね、「人間力」という言葉を言い換えるとすると、大人になるっていうことなんですよ、これ。だから高校生に教えるったって難しいと思いますよ。
 昭和シェル石油の新美春之会長にインタビューしたときに新美さんがおっしゃっていて、なるほどなあと膝を打つたんですけれど、彼が言っていたのは、入社して5年目くらいまでは、「オレがいちばんなんだ」という自己中心的な考え方で仕事をしててもいいんじゃないのかと。
 そのくらいの方が普通なんですよ。その年代で、「ちょっと自分は一歩譲らせていただきまして」なんてやってたらやっぱり普通じゃないですよ。だけど係長になったり部下がつくようになると、周りのことを考えながら仕事をするようにしないとダメだよという話なんです。
 だからやや自己中心的な情動に突き動かされて、態度決定をする若者の特権は阻害しないほうがよいのではと私は思うんですよ。

飯坂  しかし、物事が分かったうえでのジコチューと、わかんないままのジコチューはぜんぜん違うわけで、わからないままに動いていたんでは時間の浪費だよ。

岡本 もちろん飯坂さんのおっしゃることはわかりますよ。だけどぼくは20代のうちはジコチューでもいいかもしれないなと思っちゃうんですね。
 ぼく自身どうだったかというとやっぱりね、後者の方であったであろうと思うわけでございまして。「事件は会議室で起きてるんじゃない、岡本が起こしてるんだ」と言われてましたからね。どうひいき目に見ても、たとえ行動は正しかったとしても、「人間力がある」とは言えませんよ。

飯坂  それはまあ、ぼくだって今になったってわかっているとは到底言えないけれど。

岡本 いやいや、そこのところはあっさり言ってしまうと、ぼくは自分が「人間力」を持っているとは一言も言ってませんからね。
 「人間力」がないからこそ、「人間力」がある人を見て「この人はすごいなぁ、どうしてああいうことができるんだろう」という観察を続けた結果、「人間力」とは何であるかということがだんだんわかってきたということなんですから。それをまず最初に言っておかないとね(笑)。

飯坂  そうだね。

人間力とは、「大人になること」と見つけたり

「人間力」エピソード101本

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