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「人間力」とは、大人になることと見つけたり

意味不明ながら市民権を獲得した言葉







インタビュアー 飯坂彰啓
答える人    岡本呻也

人間力の定義 
「人間力」とは、仕事ができる人や、健全な日常生活をおくっている人が持っている、すぐれた社会的能力のこと
=相手の心にはたらきかけて、人を動かす力

飯坂  で、岡本さんがいま企業向けの講演でやっている「人間力」パワーアップ講座というのは、「人間力」を教えるものなんですよね。

岡本 そうです。

飯坂  それじゃあ聞きたいんだけど、「人間力」ていうのはなんなんですかね。

岡本 「人間力」という言葉を、自分の本のタイトルにつけるにあたっては、私はかなりヘジテートしたんですよ。
 それまでも「人間力」という言葉が雑誌などに載っているのを見るたびに、まったくいいかげんな感覚的な言葉として使っているので、「ふざけるな」「いい加減なことを言うな」くらいにしか見ていませんでしたからね。「そんな言葉で世間の人をたぶらかそうというのはろくなもんじゃない」と思っていたわけですから(笑)。
 「人間力」という言葉は辞書には載っていません。

飯坂  ですよねえ。

岡本 それでよく聞かれるんですよ、「人間力って言葉はいつぐらいからあるんですか?」って。「人間力」というのがタイトルについた本が最初に出たのは1945年の『近代戦と人間力動員 : 附、イタリヤ降伏の教訓ほか 』(朝日新聞社編)、これは「マンパワー」という意味の人間力でしょう。その次が間が開いて、1981年に出版された『 覇者のことば : ビジネスマン成功法則880 人間力を伸ばす』らしいんです。
 新聞に登場したのは86年4月28日の東京新聞夕刊、「増える心病む大学生 カウンセラーが警告(ルポ86)」で、慶応大学のカウンセラーの言葉として、「耐える力、創造する力、自己決定など」として初出しています。あと、明治大学の野球部監督だった島岡吉郎御大が好んで「人間力」と言っていたのが大きいでしょうね。
 ですからそんなに昔から、「人間力」という言葉がちゃんとあったわけではない。「人間」という言葉と「力」という言葉をくっつけて、人間のある種の能力を示すなんていうようなことは、新しいコンセプトなんですよ。
 ところがですね、02年6月に小泉首相が打ち出した「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2002」のなかに、日本活性化のための6つの戦略の最初の項目として、「人間力戦略」が掲げられています。
 また、それを受けて02年8月 に遠山文部科学大臣 が「人間力戦略ビジョン新しい時代を切り拓くたくましい日本人の育成~画一から自立と創造へ~」というのを出しています。
 それから厚生労働省が05年10月に「若者の人間力を高めるための国民運動」というのを始めました。電通がサイト運営を請け負っているらしい。それから大所では、日本青年会議所が全国規模で「人間力」大賞というのをやってますね。ここが本家と言ってもいいくらいだと思います。
 そういう感じで、今や完全に市民権を獲得した言葉と言えるでしょうね、意味不明ながら。

人間力とは、「大人になること」と見つけたり

「人間力」エピソード101本

人間力とは、「大人になること」と見つけたり