HOME > オープンソース型ビジネスマン生きる道 > “オープンソース型ビジネスマン”の生きる道 7-3

image53.JPG

癒着を打破して「WIN-WINパートナーシップ」へ

 コミュニケーション能力のないムラビトたちは、さらに外に出るのがおっくうになってきて、内向的な暮らしをしてますよね。

 だいたい亀田部長は、部内の飲み会がなければまっすぐ家に帰ってますよ。同業他社と接触して情報交換したり、仲のいいお客さんと飲みに行くなんていうことはやらないみたい。

 それはいいんだけど、部下が外部の人と積極的に接触することまでとがめるのはどうかと思うんですけど。不勉強なのは自分だけにしてほしいです。

 ムラの中で内弁慶になっちゃってるよね。悪いけど、彼らには基礎的なネットワーク能力が欠けている。自己愛や、集団の中での序列にこだわる姿勢が強い分、他人と交渉して、有益な関係を作る能力がないんだよ。

 彼らには好奇心もないから、例えば自分が理解できない新しいコンセプトとか、ノウハウに出会ったときに、「自分が分からないものはとにかく否定しよう」という方向にしか頭が働かない。

 年齢をとってくると、だんだんそうなるのかもしれませんね。だけど、新しいものの中にはチャンスがあるはずなんだから、私だったら「進んでそれを理解して、取り入れていきたい」と思うんですけれど。亀田部長はそういう感覚は持っていないみたい。

 結局、ぬくぬくとしたタコツボにこもり続けるのが好きか、あるいは外部に打って出てリスクを取りつつ冒険するのが好きかという、根本的な姿勢の違いがあるんだよ。亀田部長たちはずっとタコツボにこもってきたから、いまさら長い間抑圧してきた自分の創発性を発揮させる自信もないだろうし。

1.gif

 外の世界の水は厳しいから、タコツボ派の人たちは、リスクを進んで取ろうとする人たちのことは理解できないでしょうね。「自由競争をしようなんて、あいつらは正常な神経を持っていない。静かにタコツボにこもっていればいいものを、何をすき好んで……アホだ」とすら考えているかもしれないなぁ。

 自分から情報発信もしないし、新しい情報を進んで取り入れることもない、自分でものを考えることもない、「会社の中でどんどん新しいナレッジを作っていこう」という努力も放棄しているということですか。つまんないの。

 それとすごく変だなと思うのが、みんな議論をうまくかみ合わせられないということなんです。自分の意見をうまく主張できていないし、びくびくしながら意見を出しても、その言葉尻をとらえられてまず否定されるところから議論が始まるので、建設的な意見の発展がありませんよね。そんなのおかしいと思うんです。

 とにかくみんなで、思ってることを洗いざら出し合ってみて、いいアイデアをピックアップしてまとめれば、ピンチを脱出するいいアイデアがまとまるかもしれないのに。

 「三人寄れば文殊の知恵」という言葉もあるんだけどねぇ。実際には、「だれが仕事の主導権を取るか」という争いばかり必死でやっていて、主導権を取った人間が自分の手持ちの知恵やリソースだけで物事を解決しようとするし、周りの人間は相手が困っていても知恵や情報を与えようとしない。「お手並み拝見」とばかりに高見の見物を決め込んでいて、相手が失敗して次に自分のところに主導権が回ってくるのを待っているという感じだね。

 総理大臣の椅子を虎視眈々と狙っている「永田町の養老院」の連中と同じだな。「あんたらはビジネスマンじゃなくて政治家か」と思っちゃうよね。当事者と違う角度から見ていれば、岡目八目で良いアイデアも浮かぶだろうから、教えてやればいいはずなのに、これでは時間ばかりが無駄に過ぎていき、組織全体としてはますます窮地に追い込まれるだけだ。

 結局これまではビジネスの進歩のスピードが遅かったので、仕事に必要なすべての情報は会社が与えてくれたんだろう。そういういう恵まれた環境にいたので、今までのタコツボ型組織に慣れ親しんだ人たちには、コミュニケーション能力とネットワーク能力が欠けているということなんだろうなぁ。

 でも、亀田部長は「義理と人情」第一主義で、取引先とのコネとか癒着とか、そういった人的な結びつきについては「俺たちのほうが若造より得意だ」といつも言ってますよね。「あそこは俺の顔は必ず立ててくれる」とか、「あいつのメンツだけは潰してはだめだ」とか。

 それは「世の中は相身互い」という安全保障策なんだよ。長期的な取引関係を結ぶ社会では、先方を立てておけば、かならず恩返ししてくれるということ。人脈とかネットワークというのを、癒着や談合と同じだと思ってるんだね。
 そこが、共同体型の社会観を持つ人と、オープンソース型の発想を持つビジネスマンとの最大の違いかもしれないなぁ。

 マリちゃんも前に言ってたけど、社会というのは独立した個人が集まって支えるものだよ。平等の立場で社会に参加しているんだから、そこには「支配=従属」関係はない、身分のない中で、自立した人たちが自由にパートナーシップを組んでいく。その関係も、一度作ったものを固定させるのが目的ではなくて、プロジェクトが終わったら関係をさっぱり解消してまた違う相手と組み替えて、常に新しい価値をつくる努力をすればいい。それこそがわれわれに必要な、価値創造型のネットワークだと思うんだ。

 それが人脈やネットワークの本来の姿だと思います。組織や他人に依存して生きていこうとするのではなく、自立した人たちが集まって、共通の目的のために自分の得意なものを出し合って、お互いの欠けているところを補完する、それによってひとりではできないビジネスも可能にする。そういう相互に支援するコミュニティが、ビジネスパーソンにとっての望ましい社会的関係なんだと思うんです。

 君が今言ったのは「WIN-WINパートナーシップ」だよね。

 共同体型の談合型癒着は、新しい価値を産み出さないから、付加価値の高い製品や、安い外国勢の商品に対する競争力を失っていくだけだよ。この先、生き残るためにはタコツボから飛び出して、自分をさらけ出して、オープンネットワークの中で勝機を見つけるしかないはずなんだ。そのために必要な能力は、ビジネスマインド=経済的なセンスと、ネットワーク能力・コミュニケーション能力だろうなぁ。

人間力とは、「大人になること」と見つけたり

sign.jpg

人間力とは、「大人になること」と見つけたり