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○面白いですね。うちの会社にも、亀田部長のような人が沢山います。変化を嫌うような。付き合いも、固定化された人たちだけで、外部にはあんまりいなくて、昔の仲間だけというような。その上の役員クラスでも半分は同じような考え方ですね。新たなことにチャレンジせぬまま、偉くなった人たちはだめです。いろいろなことをやってきた人たちは違います。(45歳男性製造業、経営企画)

 新しいことにチャレンジする人、改革を本気で推進しようとする人と、新しいことはまったく受け入れようとしない化石派の人とは、はっきり分かれていますよね。この連載を毎回読んでらっしゃるあなたは後者です。で、新しいことにトライすることなく偉くなった人は、おっしゃる通りカイシャをダメにしている元凶だと思います。

 新しいことに積極的にトライするかどうかは、ひょっとすると「慣れ」の問題かもしれません。最初は怖いけど、一歩踏み出してやってみると、おもしろかったり、いい結果が出たりして、「またやってみよう」と思うようになるものです。そういう動機づけがないと人は変わらないものです。

 ネットワーキングも同じで、知らない人ばかりのパーティーに出かけていくのは、最初はおっくうなものです。自己紹介もわずらわしいです。だけど、人と情報交換して知らないことを教えてもらったり、新しいパートナーを見つけたりというよいことが重なれば、「またやってみよう」という気になりますよね。ムラ社会から抜け出す契機は、そんなところにあるのだと思います。

 今回は、一対一のコミュニケーションの延長にある情報共有、プレゼンテーション能力、ネットワーキング能力についてのお話です。この中からビジネス生活のヒントを見つけていただければ幸いです。

●今回の「化石体質のおじさんたちの呼称」
ムラビト(日本的ムラ社会に生きるひと) (「40代男性 医療・教育、経営企画」さんの作品)

■登場人物
○佐々木マネージャー
35歳。脂の乗りきったバリバリ中堅社員。経営幹部の無能に悩まされている。
○マリちゃん
若手女子社員24歳。帰国子女。元気で過激なやる気ウーマン。
○亀田部長
登場しないけどさんざん陰口をたたかれる損な役回り。

情報隠匿体質のおじさんには困ったもんだ

 昨日の晩、亀田部長とパーティーに行って来ましたぁ。

 フフフ、いつになく仲がいいじゃないか。

 違います! 無理矢理連れて行かれたんですよ。「ガイジンのお客さんのホームパーティーに呼ばれてるから一緒に来い」って。
 それで一緒に行ったら、部長はおどおどしていて見苦しいったらないんです。「オレはこなんところ来たことないからなー」って。社内じゃあんなに威張ってるのに、形無しですよ。
 それで通訳をやらされたんですけど、会話に中身がなくって、恥ずかしかったなー。

 会話に中身がないって、どーいうこと?

 ですから、自己紹介もほかの話題も、仕事の話しかしなくて話が広がらないし、ユーモアのセンスもないから、相手の人も話をつなげようがないんです。相手がオペラの話をしているのに、唯一得意なゴルフの話を始めるんだもんな。ほんとに場慣れしていないのがわかりましたよ。あーあ、恥ずかしかったなー。

 あれじゃあ、仕事の取引先も、先輩から引き継いだ仲のよいところだけで、それ以上広げようとしないわけですよ。

 それはねえ、マリちゃん、タコツボの中だけで生きているおじさんたちは、コミュニケーション能力がなくても困らないんだよ。なぜならこれまでは、組織の外部とのネットワークを作る必要がなかったから。

 確かにねー。系列取引先以外の外の世界と接触する必要がないですからね。「接客業務は女性に、パシリは若造に」ということで、偉くなればなるほど引きこもりになっちゃいますし。

 外だけではなくて、組織の内部の人たちともコミュニケートする必要がないんだ。だって何度も言ってるけど、タコツボ社会のおみこし会社の上司にとって見れば、下の人間は自分の言うことを一方的に聞いてくれるからね。「おい、おまえ分かってるんだろうな」と言うだけで、自分の望みはすべてかなうわけだから。「支配=従属」関係では、上にいる人間の方が偉いから、相手に分かるように自分の考えを表現する必要すらないのさ。

 仕事を言いつけられて、「どうしてこんなことやるんですか?」と理由をたずねても、「つべこべ言わずにやればいいんだ」でおしまいですからね。なんだかな~。

 「他人と情報交換することの中から新しい価値を導き出すなんて必要性はまったくない」と思ってるんですかね。信じられないなあ。そこでなにか変わったこととか、おもしろいものを見つけて仕事に活かすのが楽しいのに。

 組織が存続して、そこに自分が居続けることさえできれば、おじさんたちには、コミュニケーション能力は要らないってことだよ。黙って座っていれば、時間がたてばたつほど、自分は偉くなれるわけだから、コミュニケーションもしないし、新しい資源も発掘しようとしないし、モノも考えないよね。「カイシャさえ続けば、何もしなくても大丈夫だ」と、少なくとも自分は信じているのさ。

 そういうタイプの上司は、組織の中の情報流通を阻害する傾向がある。
 下から上がってきた情報を上に伝えないだけではなくて、上がってきた情報を抱え込んでしまって、共有を妨げちゃってるねえ。

 ほんとは、経験を積んだ上司の持つ情報やらノウハウや経験や人脈をみんなで共有するほうが、組織の生産性が上がるはずだと思いますけど。

 「情報共有なんてやってもしかたがない」と考えているのんびりした人もいれば、むしろ、「そういう情報は自分でがっちりと握って他人に知らせない方が有利になる」と思って、わざと情報を隠している人もいる。「他人が知らない情報を握っていることが自分の力の源泉なのだから、それを人に与えてしまったら自分の力が削がれる」と、悪いことと分かっていながら情報を隠ぺいしている。
 どちらにせよ彼らには、「戦略的な情報共有」という概念がそもそもないんだ。

 「組織学習」なんて発想はないんですね。営業情報やクレームの分析が、どれだけ組織営業やサービス向上、商品開発に役立つのか分かりそうなもんですけどね。

 そちらの方向には頭が働かない。それどころか反対に、「ヤバイことを隠すのが上に立っている上司の仕事だ」と考えている。亀田部長なんかは、酔っぱらったら大きな声で「クレームがきたらオレのところに言ってこい。何もなかったことにして、隠してやる」なんて言ってるよね。「臭いものにはしばらくふたをしておけば何とかなる」と思っているようだな。

 また他のお客さんがクレームを言ってくるという繰り返しになるだけだと思いますけど……。

 情報や人脈は、うまく他人に伝えて新しい効用を生めば、どんどん増えるものなんだけどなあ。お金だって、無駄遣いせずにまともなところに投資すれば利子や配当をつけて戻ってくるのと同じなんだけど。まあ、タコツボ社会の住人は、「資本」についての意識も低いからねえ。

 でも、そういうセンスがない人が経営意思決定をしているとまずいですよね。どうりで赤字のはずですよ。は~あ。

 グループウエア、ERP、CRM、SCM……システムはどんどん進化するんだけど、使ってる人間がアレじゃあねえ。は~あ。

人間力とは、「大人になること」と見つけたり

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人間力とは、「大人になること」と見つけたり