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image32.JPG ご投稿の中から、カイシャの組織風土についての優しいご意見と絶望的なご意見を紹介しましょう(文意が通りやすいように一部修正しています)。

○亀田氏を徹底的な愚鈍にし過ぎているようです。この会社が今存続しているということは、今は赤字会社でも過去好業績を上げてきた会社だと思います。その時の仕事の仕方は、市場に適合していたのです。そのころ亀田氏は実業面でも成果を上げて部長になっているのです。そしてそのような人は、現状の赤字状況に無関心であることは現実ではありえません。若者の極端な改革案も参考にしながら今の市場に適合すべく、悩んでいるのでしょう(50代男性 コンピュータ/システム製造業、上位管理職)。

 たいへんお優しいご意見だと思います。でもクイズ番組でシンキング・タイムが限られているように、そんなに長い間部長さんに悩んでいていただいては困ります。「どうすれば今の市場に適合できるか」がさっぱり分からないのであれば、部長の座は他の人に明け渡していただかないといけませんね。ひょっとすると極端な改革案を提案している若者に明け渡すのが、この会社のステークホルダー(社員や株主などの利害関係者)にとっては正解かもしれませんよ。

 部長というのは、問題解決をリードするべき「椅子」であって、「過去の手柄」が部長の機能を果たすわけではありません。問題解決ができないくせに居心地よい椅子に座り続ける正当性は、誰にもないのです。ビジネスとは、もっと厳しいものだと思います。

○IT技術系には「オープン」というキーワードが定着しつつあるが、営業系や経営は相変わらず「カイシャ主義」である。「カイシャ主義」は日本の企業ではなくならないのではないかと思ってしまう。

 何だかんだ言っても日本的経営が好きな人の方が圧倒的に多いと思うので、日本はこのまま変わらない可能性が高い(30代男性 ソフトベンダー、ソフト開発)。

 このような絶望感をお持ちの方も多いようです。無理のないことです。

 問題解決の第一歩は、問題を把握することから始まります。今回からは、「カイシャ主義」の構造について、徹底的に究明していきます。

 「カイシャ主義」は、日本の組織人にとっては空気のようにあまりにも自然なものなので、ふだんはまったく意識されていません。「問題だ」とすら思われていないのです。気がつかない幸せな人は、一生気づかずに過ごすことでしょう。しかし、気づいてしまった我々は、そのルーツを探る旅に出なければなりません。それは、自分たちの心の奥深くに眠る記憶を探るインナー・トリップなのです。

●今回の「化石体質のおじさんたちの呼称」
カイシャ世代 (「30代男性 製造業、設計」さんの作品)

■登場人物
○佐々木マネージャー
35歳。脂の乗りきったバリバリ中堅社員。経営幹部の無能に悩まされている。
○マリちゃん
若手女子社員24歳。帰国子女。元気で過激なやる気ウーマン。
○亀田部長
登場しないけどさんざん陰口をたたかれる損な役回り。

なぜ、カイシャぐるみの不正が横行するのか

 佐々木マネージャー! また亀田部長に怒られちゃいました。えーん。

 また何かよけいなことを言ったんだろう。ああいう人はね、「効率性より人間関係、とにかくカイシャに波風を立ててはならない。部下のうるさい提案を丸めるのが自分の仕事だ」と思ってるから、まともな理屈は通じないとちゃんと教えたのに。

 たしかに「よけいなことを言うなー」って怒られましたよ。だけどこれは、全然よけいなことじゃないですよ。大問題を指摘したんです! うちの部署のからんだ商品で、偽装販売をやってるらしいんですよ。それも、つい最近、他社で摘発されたケースとほとんど同じパターンで。

 だから部長に「これ、ヤバイじゃないですか!」って言ったら、「そんなことでいちいち目くじらを立てるな。大人げない。バカになれないのが君のダメなところだ」だって! わたし、バカになんかなりたくありません。これは明らかに不正ですよ。今度という今度は、許せないと思います。内部告発してやるう!

 あー! 新年早々、頭の痛い話だなー。あの部署はやってそうだもんなあ。でも「カイシャ世代」の彼らは“なあなあ”で、みんなでやっていることは悪くないと思ってるんだよ。内部告発なんてのは、彼らにとっては仲間への裏切りでしかないからね。

 わたし裏切り者なんですか? 内部告発については、「公益通報者保護法」という法律でちゃんと保護されることになる見通しなんですよ。一部の悪人の利益を守るために大勢の人の利益が踏みにじられてもいいなんて、超おかしいですよ。個人として、これは違うと思うんです。だから声をあげないと。

 それは正しいね。だけどビジネスマンは、そう思う人と、そうは思わない組織優先のカイシャ世代の2種類に分かれるんだろうな、きっと。

 亀田部長は「男は黙って」とか「沈黙は金」、「秘すれば華」というタイプだから。だいたいこの国では昔から、誘拐事件も「神隠し」とかいって、自然災害に近い扱いにして「お払いをすればなんとかなる」と思っていたくらいだからね。「犯人を捕まえなきゃ」という方向には頭が働かない。犯人は必ず身近にいるんだけど、波風が立つのが怖くて「事を荒立てたくない」と思ってしまう。そして手遅れになってから「なんとかしなきゃ」と、のそのそ立ち上がるんだよ。

 アタマ悪~い。

 ははは。そうだね、まったく頭悪いよ。不良債権もそう。不良債権がどうしてたまってきたかというと、ヤバイことは「見なかったことにしよう」と考えた経営陣が、回収できない費用を帳簿に載せずに飛ばしちゃったからだよね。

 自分たちがしでかしたヤバイ結果でも、高度成長期だとしばらく放っておけば不良債権をチャラにできるくらいもうかったから、先送りして見なかったことにすれば不良債権もいつの間にか消えてしまった。だけどバブル後は、ヤバイことを隠し通せるほど収益が伸びないから、いつまでたっても不良債権は増える一方だったんだ。山一證券みたいに、飛ばしきれなくてつぶれちゃったケースは典型だね。

 だからといって問題を正面から直視する姿勢は、あいかわらず持てないみたいだよ。やっぱりヤバイことを隠すために組織ぐるみでウソをついてしまう。「組織の秩序を守るためなら、外部にウソをつくのは決して悪いことではない」と、みんな心の底で思っているんだ。農村共同体的メンタリティだよな~。

 新潟の少女監禁事件のときに、新潟県警の幹部は賭けマージャンをやってたんだけど、記者会見で「そんなことはしていませんでした」と堂々とウソをついていた。「嘘つきはどろぼうの始まり」なんだけど、まあ日本の組織にはこういうところがあるのさ。

 お客さんの利益が犠牲にされてるんですよ。それでも仲間を守らなければならないってマネージャーは思ってるんですか? 部長たちは仲間を盾にしてほんとうは自分の身を守ってるだけじゃないですか。単なるジコチューじゃないですか。どーなんですか!?

 そう詰め寄らないでよ。もちろんぼくだって不正にはきちんと対処するべきだと思ってるよ。その偽装販売の件については、社内に話を通して問題にするつもりだ。

 それは別にして、こういう共同体意識は、変えようと思ってもなかなか変わらないね。というのは、これはカイシャ世代の日本人の心の奥底に昔から染みついているものだからなんだ。

 よーし。じゃあいったいどうしてカイシャ世代は平気でルールを破るのか教えてください。古くさい組織の壁と戦うためには、まず相手のことをよく知らないと……。

 すっかりケンカする気になってるなあ……。

人間力とは、「大人になること」と見つけたり

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人間力とは、「大人になること」と見つけたり