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 ところが、そうはならないんだな。人の意識を変えることほど難しいことはない。でもって、カイシャ主義のおじさんたちは、「ビジネスとはもうけるためにやっているんだ」とは本気で考えていないんだよ。そういう人が意思決定権を持っているというのは恐ろしいことだけどね。

 じゃあどう考えてるかというと、「ビジネスの一番の目的はカイシャという共同体、つまり自分の居場所を存続させること」なんだ。それ以外の、顧客に価値ある商品やサービスを提供することとか、株の価値や配当を高めるといったことは眼中にない。

 さらに、自分たちは会社をコントロールする責任ある立場にあることも、ぜーんぜん意識してないね。だから赤字になろうと、配当が出なかろうと、人ごとだと思っているし、平気で役員報酬をもらっている。

 かといって仕事に興味がないわけではなくて、目標はないけれど、ただひたすら汗をかいて働くのが大好きなんだよね。

 何も考えてないけど、「なにしろひたすら、がんばればいい」と思っているから始末に困る。昔、田中角栄氏は「コンピュータ付きブルドーザー」と言われたけど、亀田部長を見ていると、「コンピュータなしブルドーザー」という感じがするよね。意味がない仕事でも、働くこと自体が好きだから、部下にも「働け働け」と仕事を押しつけるし、自分より先に帰ったら睨みつけるから、みんながいやいやながら付き合い残業することになってしまう。残業代はばっさりカットなのにね。

 そしてさっき言ったように、「人の和が一番だ」と思っているから、亀田部長は課長時代、部下全員にA評価をつけてたらしいよ。その方が自分もみんなから恨まれずに済むしね。がんばる奴を評価するよりも、落ちこぼれを救うことの方が大切だと信じているらしい。だからできる社員ほど辞めていくよね。

 やっぱりそうなんですか。だけどそれじゃあまるで、うちの会社は仲良しクラブみたいなもんじゃないですか。部長がそう考えているのなら、部全体がそんな雰囲気になっちゃいますよね。困ったなあ。付き合い残業も嫌だし、無駄な仕事を削ればもっとみんな早く帰れると思うのに。

 それに会社の中も滅茶苦茶だけど、協力会社やサプライヤーとの付き合い方も、これでいいのかなって思うことがいっぱいあります。それにホントのこと言うと、お客さんに対しても「ちょっとこれまずいんじゃないの?」ってことが少なくないですよね。

 それはね、カイシャ主義の人たちにとってみれば、会社の中の人たちは仲間なんだけど、外の人たちは全然違う世界に生きている赤の他人だからなんだよ。他人とのめんどうな付き合いは少ないに越したことはないと思っているから、固定的関係を作って囲い込んじゃう。「系列」だね。

 ほんとですよね。まず閉鎖的なのはよくないと思います。

コンピュータ業界なんかを中心に「オープンソース」の流れが強まってるじゃないですか。 会社もそれくらい変わっていかなくちゃ、世間から置いていかれちゃいますよ。同じ相手としか付き合わないんじゃ進歩がないし。

 その上で下請け会社をイジメるんだよね。会社の中の先輩後輩の絶対支配関係が、外の会社との関係だともっときつくなってしまう。

サプライヤーや下請け企業に対しては、ぜんぜん文句を言わせないから、彼らも大変だよね。それにサプライヤーがライバル会社と商売をするのも嫌がるし。ほとんどイジメという感じがするな。自由を縛っておいて、飼い殺し……。彼らだって、クリエイティビティを発揮できるはずなんだから、うまくつきあえばお互いの競争力強化ができるはずなのに……。それどころか、契約もちゃんと結ばない。独禁法破りは日常茶飯事だ。

 継続的な取引先との間では、「今回はうちが泣きますけれど、次回はおたくがお願いしますよ」と、貸し借りの応酬をすることでズブズブの関係になっちゃうのもおかしいよね。取引は1回1回きちんと精算するべきだと思うんだけど、なぜかお互い抜き差しならない関係に、わざわざなりたがる。その代わり、新規参入者はどんなに良い条件や良い商品を持ってきたとしても参入お断り、という古くさい取引慣行になっているね。

 だけど、今は消費者のニーズにいち早く対応した、安くてよい商品をどんどん開発しなきゃいけないんだから、取引関係のしがらみにとらわれている余裕はないと思うんですけど。

 あ~あ、世の中のためになるものを作ろうと努力しているわけでもないし、その中で個人としての進歩はみんな止まっているし、それでよけいな仕事ばかり増えて労働強化ばかりされているんじゃ、職場としてぜんぜん魅力ありませんよ。

 先が見えませんね。やっぱりMBAかな、それとも外資に転職か……。

 志の高いビジネスマンほど生きにくい環境だよな。

でもあきらめるな。嘆いていてもしかたがない。自分の運命を切り開くことができるのは自分だけだ。まず仲間を見つけろ。そして現状を把握しろ。考えれば、突破口は必ず見えてくる!

 ほんとですよねえ。まず仲間を……。あれっ、マネージャーにはそういう思いを同じくしている同志がいるんですか?

 いや、いないんだけど。とりあえずマリちゃんが仲間になってくれないかなー。見捨てないでよー……。

 なーんだ。頼りないなあ。


◆読者アンケート◆

 みなさんが日頃、仕事をされていて、ここに書かれているような「組織の風土に根差した問題」を感じられたら、簡単で結構ですのでお送りください。投稿された内容は次回以降のイントロで紹介させていただきたいと思います。

 また、亀田部長のような「化石体質のおじさんたちの呼称」も募集します。【募集は終了しました】

人間力とは、「大人になること」と見つけたり

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