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 「景気にも薄日が差してきたし、ここが飛躍のチャンスだ。ガンバロー!」と燃えている元気ビジネスマンのみなさん、いい調子でやってますか? スピード経営の現代では、勝負の分かれ目は斬新なアイデアによるイノベーション、従来の垣根を飛び越えた業務提携、迅速な経営資源の組み替え……。そう、もはや顧客に対してもパートナーに対しても、“オープンマインド”でなければ成果が上げられない時代に突入しているのです。

 そんなあなたの目の前に立ちふさがっているのは、ライバル会社かと思えばさにあらず。古くさい組織秩序をかたくなに守ることしか考えていない“化石上司”の分厚い壁です。しかも彼らは意思決定権や業務命令権、人事権まで持っているのだからたまりません。元気ビジネスマンはなぜか身内に敵を抱えつつ、日々苦しい闘いを強いられています。

 このコラムでは、なぜオジサン社員たちはかくも「カイシャ主義」にこだわるのか、そのマインドと社内風土の関係について、掘り下げて考えて行きます。

■登場人物
○佐々木マネージャー
35歳。脂の乗りきったバリバリ中堅社員。経営幹部の無能に悩まされている。
○マリちゃん
若手女子社員24歳。帰国子女。元気で過激なやる気ウーマン。
○亀田部長
登場しないけどさんざん陰口をたたかれる損な役回り。

 ひどいんですよ、佐々木マネージャー!!  聞いてくださいよーっ。

 どっ、どうしたんだよ、一体。血相変えて…。

 わたしが一週間前に書いて亀田部長に提出した「業務改革プロジェクト提案書」なんですけど、さっき亀田部長に呼ばれて聞いたら、ぜんぶ変えられちゃってるんですよ。あれじゃあ、これまでやってきた業務プロセスとぜんぜん変化ないじゃないですか! どーいうことなんですか?

 なーんだ、そんなことか。マリちゃんはたしか経営学部で、「変革のマネジメント」を卒論テーマにしたんだったな。まあ、亀田部長はああいう人だからねえ。理屈と現実は違うってことだよ。

 「なーんだ」じゃないですよ。わたし、ほんとに怒ってるんです。このままで行くと、うちの業績はじり貧ですよ。新入社員のわたしが「なんとかしなきゃ!」と焦って改革提案してるのに、マネージャーは何でのんびりしてるんですか。

 さっき部長になんて言われたと思います? 「まあ君、そんな本質的なことを言っても仕方がないだろう。教室の席替えと違って、会社はそう簡単に変えられないんだ。このままやってれば、そのうちなんとかなるだろう」ですって!

 本質的なことがちゃんとできてないから、わざわざ言ってるんですよ!

 くやしいから「でもわたしの方が正しいと思います」って言ったら、「理屈を言うな! 会社には理屈よりも大切なものがあるんだ。それとも君は会社や俺を批判するつもりなのか」って、逆に怒られちゃったんです。ぜんぜん話が通じなーい。こんな会社信じられなーい。どうかしてますよ、みんな。わーん。

 あー、分かったから落ちついて。部長は「部下の提案を丸めるのが自分の仕事だ」と思ってるからね、騒いでも仕方がないよ。それに「大きな声を出せば、無理が通って道理が引っ込むだろ」といつも公言してる人だからなあ。

 落ち着いてなんかいられません! 赤字の会社の部長のくせに、平気な顔をしてるなんて、どこかおかしいんだわ。あんな人が部長じゃあ、いつまでたっても自分の実力が発揮できないじゃないですか。このままじゃ、わたしも将来、会社と一緒に沈没だわ。

 ……そうだっ、来年MBA留学しよう。ボストンにいる両親と同居すればいいんだし。こんな会社とはおさらばしちゃおう。

 帰国子女には日本の常識は通じないからなあ……。留学するのは勝手だけどさ、明日から留学するわけじゃないんだから、もうちょっと日本のカイシャを見物していけばいいじゃないか。カイシャはおもしろいぞー。
 ぜんぜんっ、おもしろくありません。見てたら腹が立ってきます!

 あのー、参考までにおたずねしたいんですけど、マネージャーはあんな無能な部長が威張ってるのに、よく平気でいられますね。このカイシャ、危ないと思われないんですか? ご家族もおありなのにボーナスも削られちゃってるし。
 そうなんだけどさあ、上司になにか言っても通じないことは分かってるんだし、むかつくだけエネルギーのムダだろ。部長ももうすぐ定年だし、放っておけばいいんだよ。

 40歳までは転職できると思うから、自分の勉強をしていた方がいいやと思ってるのさ。給料分は働いてるから、会社との間に貸し借りはなしだ。恨みっこなしってことでね。
 ふーん。マネージャーも転職志望者だったんですか。知らなかったなー。さすが佐々木マネージャーは、尻に根っこが生えてるような部長とはやっぱり違いますね。あっ、心配しないでください、他人には言いませんから。「Just between us」(ここだけの話)ということで。

 だけどカイシャって、どこがおもしろいんですか? わたしには、部長みたいに頑固な人と、マネージャーみたいに話が通じる人と、2種類のビジネスマンがいるように思えるんですけど。

 それで、部長みたいな人たちの方が多くて、妨害しているから組織の変革ができないように思います。そういう人がどっしり上に座っていて、環境変化に対応できず、身動きがとれていないのが現状だと思うんです。
 これって、笑えませんよね。

 うーむ、歯に衣着せないね。そこまで言うのなら、カイシャを楽しんで見物する方法を教えてあげようか。

 だけど、かなりやばいことを話すから、会社の他の人に言っちゃだめだよ。波風が立つとオレの仕事に差し障りが出るからね。約束だぞ。

 なんだか分かんないけど、分かりましたー。
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人間力とは、「大人になること」と見つけたり

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