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■登場人物
○佐々木マネージャー
35歳。脂の乗りきったバリバリ中堅社員。経営幹部の無能に悩まされている。
○マリちゃん
若手女子社員24歳。帰国子女。元気で過激なやる気ウーマン。
○亀田部長
登場しないけどさんざん陰口をたたかれる損な役回り。

自立」した個人が会社に自主的に参加する

 わたしたちの世代は、この先もずっとみんなで楽しくカイシャという神輿(みこし)をかついでいられるほど幸せな世代ではないと思うんです。世の中のピラミッド型秩序は崩れつつあるし、タコツボ談合社会に引きこもっていられるわけでもありません。出て行きたくない人もいるかもしれませんけれど、オープンマーケットに出ていって勝負する以外に生きる道はないと思います。

 ではどうすれば、オープンな市場で勝つことができるでしょうか。そういう実力をつけられるんでしょうか。

 勝つための戦略やノウハウは何百通りもあるはずだよね。だけどぼくに今言えることは、勝てる人材になるためには、どのような意識を持たなければならないかということだな。

 整理して考えてみよう。これからの時代を勝ち残る人材には、ぼくは4つの中核的価値が必要だと思う。

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 まずわれわれは、「自立性」を持っていないとだめだよね。
 会社に依存して生きようとするのではなく、自分の力で付加価値をつけて生きていくべきだ。それは本来の「仕事」の定義であって、そんなのは当然のことだよ。会社に入るというのはどういうことかというと、「組織に一生養ってもらう資格を得る」ということではなくて、「仕事を通して自分がつけた付加価値を、会社に買ってもらう」ということのはずなんだ。

 だから「会社に自主的に参加しているんだ」という立場を自覚しないといけないと思う。そして、あくまで自分の仕事に見合った報酬をいただくということだろう。

 会社に参加し続けるためには、自分の価値を磨き続けなきゃいけないということですね。つまり一人ひとりが、会社と対等なパートナーの関係を結ぶということなんでしょう。

 だから会社に入社して、会社のマークの入った襟章がつけられることに誇りを持つのではなく、自分が会社やチームに対して貢献できた仕事に対して誇りを持つべきなんだよ。それが、自立した社員になるということだ。
 自分の意識の中で自立している人こそが、タコツボから飛び出すことができるはずなんだ。

 そして、オープンソース的な世界で自分の持っている能力や資源、志向をさらけ出しながら、仲間を見つけてネットワークを広げ、新しい価値を作るチャンスをつかむべきですよね。

 でも、単純に自立してるだけでは、どちらの方向に動いていけばいいのかよく分かりません。それからどうすればいいんですか。

 自立するということがキーファクターなんだけれど、そこからふたつの方向に意識が分かれていくと思うんだ。
 ひとつは、「合理性」を持つこと。自分に与えられた目的に従って合理的に考え、行動しなければならないよね。そしてたいていのビジネスマンには、経済合理的に行動することが要請されているはずだ。

 そうでないと、ビジネスが成り立ちませんよね。不経済なことをしてると、もうかりませんから。

合理性・社会性・そのバランスを取る市場性

 もうひとつの方向は、「社会性」を意識しないといけないと思うんだ。

 タコツボの中にのうのうとしていると、タコツボの中のことしか考えなくていいから、社会性を否定していることになるんだけど、それではだめだ。生き残れない。
 オープンな社会観を持って、全体利益を考えながら常に行動しなければならないだろう。

 もしもカイシャが反社会的なことをやっていたり、欠陥商品を作っていたりしたら、内部告発するのが正しいということですよね。

 それは誇るべきことであって、決して仲間への裏切りではない。社会の利益を守ることが、真に会社の利益を守ることになるからだ。

 ところで今言った、合理的にビジネスをするということと、社会の利益を考えながら仕事をするということは、ある意味トレードオフ(背反)関係になってるよね。つまり、とことんケチって利益率を上げたいのならば、質の低い商品を売りつければいいということになる。それができないのは、ライバル企業がこちらよりもいいものを出せば、こちらの商品が売れなくなってしまうからだ。
 つまり合理性と、社会性の間のバランスをとるのが、「市場性」なのではないだろうか。

 なるほどー。わたしたちは、自分の労働力を会社に買ってもらうわけだから、オープンな労働力マーケットがなかったら困りますよね。そういう意味でも、市場性はとっても大切だと思います。

 亀田部長たち上司が、部下を支配するために労働市場の流動化を否定するのと同じ理由で、彼らはあらゆるマーケットを認めたがらないし、「市場競争と自分は縁もゆかりもない」と言い張っているんだと思います。

 だからわたしたちは、「いつも自分たちは市場で競争してる」ということ意識しなければいけないし、自分たちも労働市場の一部を構成していると認識していなければ、会社に対して、自立した対等のパートナーとしての権利も主張できないですからね。

 だからこそ、自分の価値を高めるために、常に勉強をし続けることが大切だよね。
 そうした、「自立性、合理性、社会性、市場性」という4つの価値を核とした価値観をわれわれは持つべきではないだろうか。

 これらは、亀田部長みたいに「共同体としてのカイシャ」に住んでいる人たちはひとつとして認めない価値だ。むしろ「こんなものは必要ない!」と頑固に否定し続けているのが彼らだ。

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 その結果としての行動様式が、マリちゃんが入社以来疑問に感じているような、亀田部長たちの仕事のやり方や、会社の組織風土を形作っているわけだよ。分かったかい。

 それは分かりました、だけどわたしたちはこれから、そうした古くさい意識の壁を打破して、新しいタイプのビジネスパーソンとして変革をリードしなければならないと思います。

 そうすることによって、会社を変えビジネス社会を変えて、もっと合理的に、世の中のためになる商品やサービスをつくる提供するビジネスパーソンになることができるんじゃないでしょうか。

 まあそう先を急がずに。今言ったような価値観から、仕事をする上で、これまでとは違うどのような価値観の方向性が生まれてくるか考えてみよう。

 まず最初に考えられるのが、「プロ意識」かな。

人間力とは、「大人になること」と見つけたり

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人間力とは、「大人になること」と見つけたり