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「慮る力」単行本 人間力とは慮る力

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高級ホテル
顧客満足を実現するための最高のビジネスモデル

ザ・リッツ・カールトン大阪


 西梅田にそびえ立つ四〇階建てビルデングの高層部分にある二九二室の高級ホテル、それがリッツ・カールトン大阪です。「最高の立地、最高の料理、最高の設備が調和したもうひとつのわが家」を基本理念に。世界中で四三の高級ホテルを展開するリッツ・カールトンが日本で初めて運営するホテルです。
 ここでは一八世紀のイギリス貴族の邸宅を思わせるジョージアンスタイルの内装、四五〇点もの本物のアンティークの絵画やじゅうたん、シャンデリア、イタリア産大理石でつくられた暖炉など、重みとともに落ち着いた親しみを感じさせる、豊かさと高級感のあふれた空間を味わうことができます。

 

 一番安い客室のウイークデーの最低の宿泊料金が一人一泊三万九〇〇〇円と、決して安くはありません。しかし九七年のオープン以来、着実にサービスレベルを向上させており、週刊「ダイヤモンド」のホテルランキングでも、七位で初登場して以来毎年着実に順位を上げ続け、去年はホテルオークラを抜いて堂々の四位にランクされています。「設備とともにゆき届いた従業員の対応が評価された」とコメントされています。

 

 このホテルの従業員のサービスに対する意識を象徴しているのが、もうすでに有名になりましたが、「クレド」と呼ばれる基本理念と、それを実現するための心がけや求められる態度をまとめてある二〇項目の「ザ・リッツ・カールトン・ベーシック」で、これらは名刺大の折りたたむめるカードになっていて全従業員のポケットの中に入っています。
 このホテルのコンセプトや接客に対する姿勢、従業員の意識の中でクレドが果たしている役割について、このホテルの企画から関わってきた副総支配人のYさんにお話を伺いました。

副総支配人
Yさん

 Yさんは五五歳。立教大学の観光学部と法学部を修了した後、大阪の東洋ホテル、八四年にできた全日空シェラトンを経て、九〇年に阪神電鉄が西梅田につくる複合施設のホテルプロジェクトに参加。リッツ・カールトンホテルとの提携を行い、九七年にリッツ・カールトンホテルの方に移籍しました。関西暮らしは三二年になります。

*人生の節々となる凝縮された時間を過ごす場を提供

 リッツ・カールトンは、明確な理念を持ち、妥協することなくよりお客様のニーズに歩み寄ったホテルです。
 建物やインテリアなどハード面、社員の考え方や提供するサービスなどソフト面が非常に明快であることが、同業他社と際立って違っています。
 したがってリッツ・カールトンと提携すると、ホテルの施設や家具、備品などは他のホテルと比べて五割以上高い投資(二九二室で三〇〇億円)が必要とされるわけです。
 九二年にリッツ・カールトンとの提携を決めたわけですが、バブルが崩壊がすでに見えていた当時、「ラグジュアリー・ホテル」というそれまで日本になかった概念のホテルをつくって、経営していけるものかどうか、正直大きな迷いがありました。しかし一方で、「これからはサービスも両極化するであろう、他のホテルと違う今までになかったしっかりしたサービスがあればいけるのではないか」との考えもありました。
 海外での実績もすでにありました。問題は、それが日本で本当に評価されるかどうかでした。
 私は提携交渉を始めてからたびたびリッツ・カールトンに足を運んだのですが、年配の日本人のお客様に「日本にできたら使われますか」と聞いてみると、「われわれは本当はこんなホテルを求めているんだよ」「日本のホテルのインテリアは白っぽいけど、リッツ・カールトンは非常に落ち着いた感じがする。われわれの年代ではこういう造りのホテルの方がいい」というお答えが得られました。

 東京であれば一泊二万円から三万円のホテルのマーケットはあります。それなら、大阪でも一つか二つはその程度の単価のマーケットはあると考えられます。
 また、複合ビルをつくるデベロッパー側としては、ネームバリューのあるホテルを誘致してビル自体の魅力を高めるという目標があります。その意味では、ヒルトンやシェラトよりも、今までになかったホテルを呼んでくるというところに大きな魅力が感じられました。
 そういった総合的な判断で阪神電鉄はリッツ・カールトンをこの地に誘致する決定をしたわけです。

 お客様はホテルを選ぶとき、目的別に選ばれます。単に「一晩泊まるだけ」なら、いわゆるビジネスホテルを選ばれるでしょう。
 でも、「今日は大事な時間を過ごしたい」とか、「一年働いた自分にご褒美をあげたい」という目的であるならば、いい気持ちに気分転換をしていただけるホテル、二四時間このホテルの中でリラックスをしてゆっくりくつろいでいただけるシティーリゾートを使っていただけるでしょう。
 また、人生の節々となる大事な出来事において、凝縮された時間を過ごす場としてであれば、多少値段が高くても費用対効果でご納得いただける答えを出セているのではないかなというのが私たちの自負です。
 リッツ・カールトンが「高いから」泊まりに来られるのでなく、「リッツが好きだから泊まってみよう」という、お値段が高くてもお使いいただいてご納得いただいた、ロイヤリティーを持たれるお客様が増えているようです。リピーター率は三〇%まで高まっており、これは普通の都市型ホテルに比べて一〇%程度多いのではないかと思います。


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『慮る力』 お断り この本の目的は、純粋に「ビジネスマンの意識」について論じたものであり、いかなる商品・サービスの購入、団体への加入をも推奨するものではありません。また本書は、あらゆる商品・サービスの宣伝、宗教・政治など諸団体の活動とはまったく無関係です。この本は2001年に取材したものであり、内容が古くなっている可能性があります。

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