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「慮る力」単行本 人間力とは慮る力

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スチュワーデス
乗客の心の安定を図るコミュニケーションの力

日本航空
客室本部 客室CS推進部 キャビンコーディネーター
Oさん


*「一期一会」できる限りのことをやってあげたい

 このように、私たちはいつも動いているので、体感温度がお客様より高いのです。ですから機内の温度計を見て調節はしているのですが、温度についてだけはお客様に伺うしかありません。
 自分が話しかけられやすい雰囲気をつくれば、お客様にリクエストをしてもらえる可能性は増えます。逆に悪いケースは、お客様が呼んでも来なかったとか、「リクエストをしたけれどものを持ってこなかった」とか、「長い間待たされた」「頼みにくかった」というふうなことだと思います。

 特にエコノミークラスの場合は、何かリクエストのあるお客様の頭は何かを探すように動いているので、そういうところに注意するようにしています。「呼びつけるようで、気が引ける」というので、座席の上にあるアテンダントのコールボタンを押せないとか、なかなか声をかけにくいというお客様が少なくないようです。
 ですからなるべく多く機内を巡回するように心掛けています。また私は、飲み物を伺う時も必ず窓側の人から伺うようにしていますし、また必ず女性から、上司と部下であれば上司の方から伺うように心掛けています。
 お客様に気を使わせてしまうのはダメなサービスですよね。気やすくお望みをおっしゃっていただけるように、忙しい時に忙しそうな感じを見せてしまうと、プロじゃないと思います。また忙しいと、口調がきつくなってしまうというのもよくないでしょう。

 いつも同じお客様をお迎えするわけではありません。でもできる限りのことをやってあげたいと常に思っているんです。
 そのお客様とは二度と会えないことの方が多いと思います。でも海外に行って、乗り継ぎで困っている人がいればコックピットまで連絡して、乗り継ぎ便への連絡をしてもらうこともあります。
 私たちがホッできるのは、着陸してお客様を送り出し、車いすの方を一番最後にご案内して忘れ物チェックをし、飛行機から降りて通関し、ホテルの部屋に落ち着いてからのことです。

*サービスする側もサービスされている

 日本航空に寄せられた声を分析しますと、他のエアラインに比べて、日本航空は日本的なホスピタリティーを実感する、「お帰りなさい」という感じがよく出ているというコメントが多いです。
 また喜ばしかったこととして、赤ちゃんを連れたお母さんが「トイレに立ちたいので、その間赤ちゃんを見ていて」とアテンダントに頼んだ際、そのアテンダントがさりげなく自分の胸についているネームバッチを外してから赤ちゃんを抱いたので、大変安心することができたというものがありました。

 アテンダントが一番うれしいのは、お客様に心からの「ありがとう}を言われた時だと思います。そういうときは鳥肌が立つようなうれしさを感じがします。
 リクエストに応えてあげられたお客様にそう言われたときは、「よかった、なんとかしてあげられたんだ」とホッとしますし、一度もリクエストされなかったお客様に、「ありがとう、また乗るからね」と言ってくださったときには、本当にうれしいと思います。
 またサービスする私たちの側もサービスされているという逆転状況があるのではないでしょうか。例えば、「暇なときでいいから」とリクエストされますと、お客様の方が気をつかっておられるわけですから、こちらとしては「すぐ持っていかなくちゃ」と思ってしまいます。
 逆に、「今すぐね」と言われますと、「わかってますけど、他の用もありますのですみません」という気持ちになってしまいます。

「お客様が何を望んでおられるか」は、目を見ればある程度はわかります。
起きておられる人には話しかけてリクエストをしやすい雰囲気をつくります。そうしますと、「機内が暑い」などとおっしゃっていただけます。「単身赴任なんだよ」という話が出てくることもあるし、「新婚旅行です」とおっしゃる方もいらっしゃいます。
新婚旅行ですと、お祝いの気持ちを表して喜ばせたあげたいと考えますが、搭載されているものが限られていますから、その中で工夫を考えます。例えば手書きのお祝いのカードを差し上げるとか、エコノミークラスではシャンパンは出せませんが、白ワインにスプライトを入れてシャンパンもどきをつくるとか。
 ワインアドバイザーの資格を取る人が多いのも、そうすれば会話が広がって、お客様とたくさんお話ができます。西海岸に行くお客様で、「ナパバレーに行く」という人がいらっしゃるれば、ワインの話から「ゴルフはされますか、ハンディはおいくつですか」というふうに話が広がります。
 このように共通の趣味があれば、お客様は「ああ、話してよかった、わかってもらえて」と思われるはずです。


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『慮る力』 お断り この本の目的は、純粋に「ビジネスマンの意識」について論じたものであり、いかなる商品・サービスの購入、団体への加入をも推奨するものではありません。また本書は、あらゆる商品・サービスの宣伝、宗教・政治など諸団体の活動とはまったく無関係です。この本は2001年に取材したものであり、内容が古くなっている可能性があります。

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