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「慮る力」単行本 人間力とは慮る力

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カスタマーサポート
ハイテク武装でクレーマーの心をしっかりと受け止める 1

デルコンピュータ
リレーションシップテクニカルサポート部長
Mさん



 デルコンピュータは一九八四年に当時テキサス大学の学生だったマイケル・デル氏が設立したコンピューター会社で、ユーザーの望むスペックの製品を一台からでも注文生産で直接販売する画期的なビジネスモデルで大手コンピューターメーカーにのし上がったアメリカ企業です。
 注文生産によって在庫を圧縮し、その分高機能のパソコンを安く提供することができるわけです。二〇〇一年の第一4半期には四一万台を出荷し、ついに世界市場でパソコン出荷台数一位に登りつめました。同社はまた二四時間のテクニカルサポートを行っていることでも有名です。
 日本市場には九三年に進出し、パソコンメーカー九位、四%程度のシェアを得ていますが、対前年成長率では六五%と他社を抑えて快進撃しています。

 その好調の理由の一つが、テクニカルサポートの満足度でしょう。ビジネス雑誌やパソコン専門誌のサポートランキングでは、同じようなビジネスモデルを採用している日本ゲートウェイと並んで常に他社を引き離した断トツ一位の座にあるようです。ユーザーとしては企業が八〇%で、製品は圧倒的にパソコンが多く、個人のユーザーはセカンドマシン(二代目)として買っている人が多いそうです。
 そのテクニカルサポートは、顧客に何を提供することで顧客満足を得ているのか、またスタッフはどのような能力を使ってクレームに対処しているのでしょうか。

*お客様と接するサポート部門は会社の「前衛」

 テクニカルサポートというのは、他社ではともすればおまけ的なサービスと考えられているかもしれません。だから電話がつながりにくいとか、不親切であるといったことが起こりがちだと思います。
 しかし当社では、テクニカルサポートの位置づけは花形である営業部門とまったく同じと考えられていますし、そのような気持ちが、従業員に浸透しています。「テクニカルサポートは会社の前面に出ており、影の仕事ではない」と全従業員に伝わっているのです。そのようにサポートの位置づけが高いことで、テクニカルサポートのスタッフも働きやすくなっていると思います。
 パソコンメーカーでは、お客様と接しているのは営業マンとサポート部門なのです。お客様の声にフォーカスするということは非常に大切なことです。

 パソコンでは、壊れていたり使えなくなったりするのはありうることです。われわれが考えているのは、「お客様が使えなくなっているダウンタイムをどれだけ短縮できるか」なんです。
 短時間で直すことが重要です。われわれは、一回の修理で必ず直す率をワールドワイドで競争していて、日本での確率は九〇%以上になっています。
 当社では基本的には「オンサイト修理」、すなわちエンジニアの出張修理が基本になっています。他のメーカーさんでは、「壊れたパソコンは返送してください、代替機をお送りします」という形になっているのではないかと思いますが、これではお客様のダウンタイムが数日のスパンになってしまいます。

 当社のテクニカルサポートは、単なる受け付け窓口ではありません。フロントスタッフ(オペレーター)がユーザーから電話を受けて症状を伺うところから始まって、修理の完了まで責任を持っているのです。
 オペレーターはお客様とコミュニケーションをとり、問題の原因を追求し、「修理にどの部品が必要か」を絞り込んでいきます。そうして部品と、全国に二〇〇拠点以上ある提携先の保守拠点の人員もシステムに入力し、作業の仕方についても連絡を行います。
 これらはすべてコンピューター上に入力すれば連絡がOKになっているのです。その日の夕方までに入力できれば、翌日作業員と修理に必要な部品が客先に届く手配ができ、そこで直してしまえるわけです。
 サーバーについてはもっと早く対応する必要もあるので、場合によっては数時間後に作業を行うよう手配したりもします。

 処理が終わったら、お客様にサインをしていただき、アンケートを渡します
 。そのハガキが返ってくると、修理手配の番号、障害の特定、部品の手配、症状が治ったかあるいは別症状が起こったか、補修作業員の印象などについてのデータが回収できます。これについてデータ分析をかけ、再発防止の徹底を図っています。
 オペレーターが原因を特定しても潜在的な別現象があることもありますし、その場合は別の部品が修理に必要なこともあるので、そうした事例は分析しておかなければ一度で修理できる率が下がってしまいます。また、作業ミスもあり得ないことではありません。


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『慮る力』 お断り この本の目的は、純粋に「ビジネスマンの意識」について論じたものであり、いかなる商品・サービスの購入、団体への加入をも推奨するものではありません。また本書は、あらゆる商品・サービスの宣伝、宗教・政治など諸団体の活動とはまったく無関係です。この本は2001年に取材したものであり、内容が古くなっている可能性があります。

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