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「慮る力」単行本 人間力とは慮る力

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マンション建築コーディネーター
「心の旅」の終着点=オーナー意識に究極の顧客満足がある 1

T社社長
Kさん



「マンションを買う場合は、あらかじめ決まっている間取りのものを買うものだ」というのが常識でしたが、最近ではオーナーが間取りを自由に設計することができる「コーポラティブハウス」という概念が出てきて話題になっています。
 そもそもは、マンションを建てたい住人が何人か集まって共同で土地を買い、相談をしながら設計していくものなのですが、効率的なコーディネイトを行う会社としてマンションメーカー出身のKさんが設立したのがこのT社です。
 現在すでに、東京都内で一九棟のコーポラティブハウスを完成させ、一五棟以上のプロジェクトが進行中です。土地の買収や工事の発注はオーナーが参加する建設組合が行うことになっており、T社は実費のうちの七・五%をコーディネート料として受け取るという仕組みです。

 東京都内で休日に開かれた、大田区内に建設予定のコーポラティブハウスの説明会に参加してみました。若い夫婦を中心に三〇人程度が参加しています。T社の担当社員が、まず物件の立地条件の説明から始めるのですが、二面のスクリーンを駆使して地図と写真を取り混ぜ、いながらにして実際に現地に行って見てきたような気にさせる臨場感あふれるプレゼンテーションに驚かされました。
 次に、近隣に最近新築されたマンションとコーポラティブハウスの条件や坪単価を比較した説明があるのですが、「余計な宣伝費用をかけず基本的に実費が明らかなコーポラティブハウスの方が、二割方は安い」ということが説得的に提示されます。
 その後「コーポラティブハウスとは何か」という説明があり、 
 建物の骨格や配管スペースは変更できないものの、床や天井のスペースをゆったり取ることで自由度をつくり、内装や設備に関しては思いのままにできること
 各部屋に設計担当者がついてかなり自由な設計ができること
 完成まで一〇回程度住民が集まって相談するので資産を守る質の高い連帯感を持ったコミュニティがつくられること
 その半面完成までに一年半ほどの時間がかかるということ
 方法によっては全体予算が変動する可能性もあるというデメリット
 などが説明されます。

 そうしてやっと当該物件について、T社が提案する建物のコンセプトやユニットプランの解説に入ります。
 設計図、今までの施工例の写真、パースを組み合わせた非常に立体的なプレゼンテーションにより、完成時のイメージを参加者に見事に伝えていました。
 また間口の広さなどを具体的に説明するために、リボンを会場内に渡して長さの感覚を一目でつかませるなど、非常にうまく参加者の気持ちをつかむ工夫が凝らされていて、見るだけでも楽しい説明会になっていました。

*コーディネーターは「縁の下の力持ち」

 説明会のプレゼンテーションの方法については、「自分の友人が"今マンションを買いたい"と言ったら、どのように説明をすれば満足してもらえるか」に対する答えを見つけようというのがスタート地点でした。
 そのマンションの企画や設計の担当者が責任を持ってやることにしていますので、みんなが自由に生き生きとやっています。
 八年前初めたころは、僕一人がプレゼンテーションもやっていました。その時は、OHPを一台使って、サインペンでシートの上に線を描きながらやっていたものです。
 そして、「自分が住みたい家ならば、何を伝えればわかってもらえるだろうか」からスタートして考え始めました。そうすると、会社までの通勤経路や、買い物情報、幼稚園がどこにあるかがわからなければ家は買えません。
 また、営業する側としてはその物件の条件の優れているところを謳いたいわけです。そういう両方の意識でプレゼンテーションをしています。
 そうするうちに、「OHPを二台使ってやった方がいいな」と思いまして、これが最近では進化してプロジェクター二台になっています。また、長さを表すのにひもを使うという方法も「どうすれば分かりやすく表現することができるか」を追及していったわけで、たまたま説明会場の天井が二・八メートルという時があって、「ここと同じぐらいです」という説明の仕方をしたり、説明会に来てる人に手を挙げていただいて、「たいていここまでです」というふうなことやったりしました。
 説明会は二時間もあるので、アクションも入れて、気分転換しつつプレゼンテーションを聞いていただく工夫を取り入れているんです。


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『慮る力』 お断り この本の目的は、純粋に「ビジネスマンの意識」について論じたものであり、いかなる商品・サービスの購入、団体への加入をも推奨するものではありません。また本書は、あらゆる商品・サービスの宣伝、宗教・政治など諸団体の活動とはまったく無関係です。この本は2001年に取材したものであり、内容が古くなっている可能性があります。

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