HOME > 「慮る力」単行本 > 富士ゼロックス3

「慮る力」単行本 人間力とは慮る力

「慮る力」目次はじめにヘイコンサル安全運転中央研修所|プロの心構え|相手の心を知る|プロの仕事をする

N自動車販売富士ゼロックス|T社|KO百貨店|ジャーナリスト|デルコンピュータ|和幸|N住宅産業|再就職支援会社
|パイオニア|日本航空|公益社|ザ・リッツ・カールトン大阪|千葉夷隅ゴルフクラブ|ザ・クラブ|医師|千宗室

提案型営業
経営解決のためには顧客企業は出費を惜しまない 3

富士ゼロックス 
ゼネラルオフィス・マーケティング・カンパニーK支店 販売2グループ長
Mさん



 セールストークを勉強するために、入る気もないのに生命保険のおばちゃんと長時間話したこともありますが、彼女らも相手の会社のことをよく調べていますよ。特に社内の人事情報についてはどこで聞いてくるのかよく知っていますね。
 これはわれわれのセールスでも同じで、その社内の人事情報というのは一番喜ばれる話です。特に伝統的な電機メーカーだと、工場単位で交流が分断されているので、横の情報をみんな知りたがっているようです。また、その会社の中で部長同士はライバルであったりしますから、「○○部長からのご紹介で」と言ったらかえって薮蛇を突いてしまうこともあるわけで、会話のニュアンスで人間関係を察知するように気をつけないといけません。
 ということは、「いかに相手の会社に興味を持つか」が大切になりますが、私はわかるにつれてどんどん楽しくなので、半分ゲームだと思ってやっています。知らないことを知るのが楽しみなんです。

 そのようにして、情報担当者と関係をつくってくると、話をしていて相手に「ノー」を言わせなくする手も使うことができます。
 「うちはそれはできないんだよ」と言われると、「なぜできないのですか、もっと違うやり方もあるでしょう、これはどうですか」という話し方をどんどん続けていくとNOと言えないところまで煮詰まってきて、「じゃそれやってみようか」と持っていけるわけです。
 そのためには、自分が提案できる手札がどれだけあるかが一番の問題です。自社の製品だけではだめなこともありますし、それ以外に相手企業の業界全体の流れや技術情報、歴史や経済などの雑学も必要です。
 特にわれわれは、一社を長く担当すると相手との関係がマンネリになってしまうこともありますので、いかに相手に飽きられないかを考えなければなりません。

*社外との利害調整はロジカルに、社内調整は保険をかけて

 営業が責任を持っているのはゼニカネと納期の問題ですが、このあたりには利害調整能力が必要になってきます。
 納期については当然ながらどの顧客も非常に厳しくなっています。間に合わせるためには、仕様漏れの場合は顧客企業側の仕様書が問題なわけですから責任を持っていただかなければなりませんし、システムをカスタマイズしているベンダーの方に問題があれば、ベンダーになんとかしてもらわなければなりません。
 ベンダーの数は限られているので、納期をなんとかするためには
 ・当社から発注している他の案件と調整をするという方法と、
 ・ひたすらベンダーに頑張っていただくということと、
 ・顧客企業の納期を泣いていただく
 というやり方しかないわけですが、交渉をする場合は譲歩点をどこに設定するかがポイントです。誰かの望みを一〇〇%かなえた場合、後で必ずどこかでしっぺ返しを食うことになりますから、みんなに少しずつ泣いていただくしかないんです。

 社内の調整は、ロジカルに話を進めることができるお客さんとの関係よりも、もっと難しいと思います。特に、半導体製造装置メーカーのケースでは、当社がまだやっていないことを受注したわけですから、これをつくるためにSEの工数が他のものよりも増えてしまうかもしれません。その時に、「なんだこれは」と他の人に文句を言われた場合、社内におけるこの仕事の認知がなければフォローが効かなくなってしまいます。
 そこで、私は上司を顧客のところに連れていって保険をかけておきました。そうすれば何かあったときに社内調整が楽になるはずです。社内に対しては保険をかけつつ言うべきことを言う、お客さんとはロジカルに関係を調整する、というのが私のやり方です。


b.pnga.png

▲ ページトップへ

『慮る力』 お断り この本の目的は、純粋に「ビジネスマンの意識」について論じたものであり、いかなる商品・サービスの購入、団体への加入をも推奨するものではありません。また本書は、あらゆる商品・サービスの宣伝、宗教・政治など諸団体の活動とはまったく無関係です。この本は2001年に取材したものであり、内容が古くなっている可能性があります。

人間力とは、「大人になること」と見つけたり

「人間力」エピソード101本

人間力とは、「大人になること」と見つけたり