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「慮る力」単行本 人間力とは慮る力

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提案型営業
経営解決のためには顧客企業は出費を惜しまない 2

富士ゼロックス 
ゼネラルオフィス・マーケティング・カンパニーK支店 販売2グループ長
Mさん


Tさんのお話
 実現性はあるのですが、先方が要求する要件(スペック)をクリアできるかどうかちょっと心配でした。しかし、当社がこの企業の大きなビジネスに入り込めるというメリットも当然考えていました。
 その後、この会社の図面処理業務を詳しく勉強し、実際に導入するシステムが作業する人のニーズに合っているかどうかをデモ・プログラムをつくって確認し、「OKだ」とわかってから本腰を入れていろいろテストを始めました。
 仕様については、普通はお客様から仕様書をいただくのですが、今回のケースの場合は、「こうしたい、ああしたい」という部長さんのご希望を伺い、「それはできないと思うんですけれど」と答えた部分については、「じゃ、せめてこれはできないかな」と詰めていって、「それに基づいてそちらで仕様書をつくってくれ」と任せられました。
 こうしてこの会社のためにカスタマイズしたソフトを九九年の九月に完成させ、大型プリンターと一緒に納入し、九九年一二月に稼働することができたのです。

*顧客企業の課題とキーパーソンの探り方

 われわれはマス・マーケティングではないので、一つの会社を深堀りして、継続して取り引きしていただく必要があります。
 一般的には、先方が求めているのは「時間短縮」や「コスト削減」なのです。そういう「価値」に対してお金を払っていただくわけであって、われわれは単にものを売っているわけではありません。そして、こうした「価値」を提供する方法論は、いくらでもあるのです。

 その前に、顧客企業から「自社の経営課題」について教えてもらうのは、担当者の信頼を勝ち取れなければ到底無理です。
 では信頼はどうすれば得られるか。まず「動かない、遅い、壊れた」というクレーム処理が入ってきた時に「早く動く」ことでしょう。先方のシステム管理担当者はシステムを使っている社内のエンドユーザーにいろいろ文句を言われ攻められているので、こちらに電話をしてくる時にはかなり困った状態になっているわけです。それを想像できなければなりません。

 だから電話をたらい回しにしたりすると大変な悪印象をもたれてしまいます。故障の理由について説得しても全然意味はありません。「まず行ってみる」ことだと思います。行ってみたら、ものすごいクレームだとしても、情報担当者自身はまったく怒っていないということもあるわけですから。

 提案を成功させるためには、まず顧客企業の経営課題を知らなければならないわけですが、そのためには、その会社の組織や特質、業界での位置づけや望みを知る必要があります。
 一番簡単なのは、毎年その会社が決めている経営方針や部門方針を見ればいいんです。そこからある程度のニーズを予測することができますし、キーワードが必ずあります。また、同業他社の経営方針や部門方針も調べてみて、それをさも自分で考えたかのように応用して、「この点に関しては御社の場合どうでしょうか」「こういうやり方もありますよ」などと持っていって話の糸口をつくるということも可能です。
 先方の課題がある程度分かったら、今まで提案してきた経験から仮説をつくり、「こういう考え方で効率化をするのはどうでしょう」という具体的なものを持って、その会社のいくつかの部門を回ります。
 当社の場合プリンター一台でも導入しているところであればアプローチできますので。話していく中で、「この会社ではだれに話を聞けばいいのか」という嗅覚を働かせ、キーパーソンを探っていきます。そして「こういう話については、御社ではだれに聞けばいいでしょう」と紹介を受けて話しに行くのが一番確度が高いですね。
 以前「テレホンスクリーニング作戦」といって電話でキーパーソン探しをやろうとしたことがあったのですが、電話でまともに話を聞いてもらえるのは一〇〇件のうち二、三人で、「やはり実際に話を聞きに行く以外に道はないのだな」と思いました。うまく紹介を受けるコツはありません。普通に話していて、「紹介してくださいよ」というのが一番いいのではないでしょうか。その時に断られることを恐れちゃいけないと思います。


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『慮る力』 お断り この本の目的は、純粋に「ビジネスマンの意識」について論じたものであり、いかなる商品・サービスの購入、団体への加入をも推奨するものではありません。また本書は、あらゆる商品・サービスの宣伝、宗教・政治など諸団体の活動とはまったく無関係です。この本は2001年に取材したものであり、内容が古くなっている可能性があります。

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