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「慮る力」単行本 人間力とは慮る力

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プロの仕事をする.11




本当に求めていることについては、みんな支出は厭わないはず。どうすればそうした切羽詰まった相手のニーズを知ることができるか、まずその情報源の開拓を考える。次に情報源の信頼を獲得すればよい

 組織としての目標には資源が集中投下されるので、そこには売り込みのチャンスがあるはずです。そうした情報を得るためには、相手の組織の内情をよく知る情報指向性と組織感覚力、それとキーパーソンの信頼感を獲得する能力が欠かせません。相手の信頼感を得られなければ、組織の弱点は教えてもらえないはずですから。
 しかしもし、こちらが提供する解決策によってその組織の弱点が克服されたとするならば、相手との関係性は揺るぎないものなるでしょう。そうしたゴールを頭に描きながら、ひとつひとつステップを踏みながら相手のニーズに近づいていくのです。

ビジネスマンが求めている本質的なニーズは、時間短縮やコスト削減であり、このニーズは無限にある。その価値を満たすためにモノやサービスを売っていると考えれば、切り口もまた無限にある

 株主が求める利益を生み出すためには売上を拡大するか、コストを削減するかのどちらかしかありません。高度成長期のような売上拡大が見込めないデフレ経済下の今日、まともな経済感覚を持つビジネスマンであれば、時間コストを含めたコストの削減には高い関心を持っています。
 これを実現する商品やサービスであれば、当然関心の対象になってくるでしょう。そうしたニーズは明かであり、そこに向けた商品やサービスには優位性があると思われます。

マス・マーケティングに近い場合、個々の客の声の通り商品をつくったらまちがうことも少なくない。ニーズの最大公約数を求める必要がある

 これはファッション衣料という顧客の嗜好性が強く反映される商品のケースですが、個々のお客さんの声にあまりにフォーカスしすぎると、売れない商品ができあがってしまう。何人かのお客さんの声と、その年の売れ筋商品のトレンド情報をうまく混ぜ合わせて、ニーズの最大公約数を導き出すテクニックが肝心なのだそうです。

客の行動はすべてコンピューターのデータとして収集できるわけではない。客を注意深く観察し、丹念に客の声を拾う必要がある

 POS情報には、お客さんの購買の結果しか反映されません。しかし、お客さんが迷った末に結果としてその商品を購入したのであれば、迷った方の商品の情報はこぼれ落ちてしまっているわけです。しかしそこに重大なヒントが隠されていることも少なくありません。そこで、コンピューターのみに頼らず、自分の感覚と、直に収集したお客さんの声によって、つかみ所のないお客さんの心を、自分の頭の中で徐々にイメージしていく必要があるのです。

相手があらかじめ持っているイメージも重視する。相手のイメージに沿ったものを提供したり、あるいは相手のイメージ自体を変えるよう努力してビジネスチャンスを広げる

 お客さんはすでに、自社が今まで提供している商品のイメージや、ブランドに付随するイメージを持っています。そうしたイメージにそぐわないものを投入しても、簡単に受け入れてもらえません。
 自社のブランドイメージを拡張していく方向で商品展開を考えるのがコストがかからないやり方なのです。しかしこれまでの商品戦略に限界が見えている場合は、多くの人が持っているブランドイメージ自体を変化させる必要があるでしょう。これはもう、全社的な対応が必要とされることです。

思いこみでつくっても、本当のニーズに合っていないこともある。その時は潔く撤退することが傷を深くしないポイント

 お客さんの心を考える以前に、人は自分の思い込みやこだわりにとらわれているものです。何かを創り出すときには、自分の思いを実現するところからスタートし、思い込みがエネルギー源となって商品ができあがるわけですから、「自分の気持ちにこだわるな」と言うほうが無理かもしれませんが、ケガを深くしないためには、その思いをばっさりと断ち切る姿勢も必要なのです。

客がいるところにはさらに客を集めることができる。人が集まれば、ビジネスチャンスが増える。相手の注目を集めるためにはどうすればよいのかを常に考える
相手に選択の権利を与えることは、埋められていないニーズを満たすことにつながる。あの手この手で相手のニーズを満たすよう考える
今の仕事の相手以外にもビジネスを拡げることを考える。攻め方を変えれば新しい相手をつかまえることができるかもしれない

 新しいお客さんをつかまえるのは、まさに冒険ですし、おっくうなことです。ですが積極的に新しいマーケットを設定し、そのお客さんがどのようなニーズを持っているかをリサーチして自社の可能性を広げていく姿勢を持たなければなりません。


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『慮る力』 お断り この本の目的は、純粋に「ビジネスマンの意識」について論じたものであり、いかなる商品・サービスの購入、団体への加入をも推奨するものではありません。また本書は、あらゆる商品・サービスの宣伝、宗教・政治など諸団体の活動とはまったく無関係です。この本は2001年に取材したものであり、内容が古くなっている可能性があります。

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