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「慮る力」単行本 人間力とは慮る力

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プロの仕事をする.10




■利害の調整

利害の調整を行う場合、だれかの望みを一〇〇%かなえると必ず後で無理が出てくるので、少しずつみんなに泣いてもらうのが正しい。ロジカルに誠意をもって説得する

 もくろみ通りにいくプロジェクトなど希なことです。納期が間に合わなくなった、見積の範囲に収まらなくなりそうになったなど、帳じりを合わせるためには、利害を調整しなければなりません。その時に利害関係者の中で立場の弱い人にしわ寄せしてしまうと、その場はそれで収まりますが後になって必ず困ることになります。理屈の通らないことはしてはならないということでしょう。利害関係者にダメージは与えつつも、自分の信頼だけは保たなければなりません。

「これが誰にとっても一番いい解決策だ」とオープンに誠実に話すのが確実。うまいことを言って調整しようとしても、どこかでボロが出て自分が相手の立場に立っていないことがわかり、信頼を失うことになる
社内には理屈は通用しない。冒険する時にはあらかじめ上司を巻き込んでおき、社内的な認知を得ておけば、何かが起こったときにあわてずにすむ

 組織の論理は、世の中一般に通用している善悪の概念や理屈を超越しています。身内に対しては無理を通そうとする非常に理不尽な日本企業の風土は、まさに相手を慮る力の欠如を反映したものです。
 しかしそれを嘆いているだけでは仕事が前に進まないので、無理や無茶に対しては対抗手段をあらかじめ打っておく必要があります。
 ピラミッド社会における正統性の第一位は、「より地位が高い上司の承認と庇護」ですから、責任を取ってくれないことは分かっていても危なそうな取り引きには上司を巻き込んでいくというのがサラリーマンの処世術といえます。


*相手のニーズを引き出す技術

 何か売り物になるものを新しく創り出すためには、まずお客さんのニーズを引き出す必要があります。ニーズがないところに商品を供給してもまったく意味はありません。では、どうすれば相手のニーズを知ることができるのか、相手の心の中のニーズをつかむテクニックについて考えてみましょう。

自分が客の立場になれば、困っていることはまだまだあるはず。これまでに満たされていないニーズと、自社の得意な能力をマッチさせるように考えてみる

 「共感」は、ニーズをつかむための基本です。
 人間の欲望には限りがありません。どんなものでも、「これ以上良くならない」という限界はないのですから、鵜の目鷹の目で改善点を探す努力をしなければなりません。
 その時には、「自分がユーザーの立場になったら何が欲しいか」について、自社が今持っている供給能力と切り離して考えてみる必要があるでしょう。
 ユーザーのニーズを発見したら、初めて自社の得意な努力でそれが実現可能かどうかを考えるべきです。自社の経営資源から商品を発想するという自己中心的な成功事例も稀にあるでしょうが、それを期待して弾を撃ち続けるというのは「守株」にも等しい愚行であると考えたほうがよいでしょう。

表面的な考え方をせず、「求められているものの本質は何なのか」について常に考えるよう心がける

 「表面的なことは改善するが、本質には手をつけてはならない」という奥ゆかしさが組織人の処世術と信じている人は少なくないのですが、そのような人は自分の可能性を自ら狭めていると自覚するべきです。「自分が提供している商品やサービスは、相手の生活や仕事にとってどのような意味を持っているのか」という根源的なところまでさかのぼって、商品の新しい可能性を切り開くよう発想の幅を広げるべきでしょう。


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『慮る力』 お断り この本の目的は、純粋に「ビジネスマンの意識」について論じたものであり、いかなる商品・サービスの購入、団体への加入をも推奨するものではありません。また本書は、あらゆる商品・サービスの宣伝、宗教・政治など諸団体の活動とはまったく無関係です。この本は2001年に取材したものであり、内容が古くなっている可能性があります。

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