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「慮る力」単行本 人間力とは慮る力

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ビジネスマンの「頭の中身」はどうなっているのか 2

ヘイ コンサルティング グループ


■社会的スキル 行動を起こし相手と関係する

 これらに基づいて、人は何らかの行動を起こそうとするのですが、その結果として出てくる行動は、「相手にインパクトを与える」(=対人影響力)ものであったり、「コミュニケーションを円滑にはかる」(=コミュニケーション力)であったり、「うまく相手と関係をつくる」(=関係構築力)「利害を調整する」(=利害調整力)などの形になります。結果としての行動は、その人の仕事の具体的な内容によって規定されてくることでしょう。
 ただしそうした行動は、対人理解とセルフ・マネジメントによって支えられているということが重要なことなのです。

 世の中によくあるのは、この二つの能力に支えられることなく対人影響だけ行おうとする人です。こわもてタイプの上司や政治家というのはそうした間違いを犯しているでしょう。権力動機はあるのですが、声を荒げたりする表面的な社会的スキルで相手を動かそうとするわけです。
 利害調整をしようとしていろいろなところを飛び回るけど、結局だれからも相手にされないという人もよく見かけます。相手に対するスキルだけを行使しようとしても、「この人は自分自身のことを個人として理解してくれていないな」ということは相手にはすぐわかりますし、大きな声を出しても相手からは「ばかばかしい、子供じみた人だな」と思われるだけです。

「お客さんはいま何に悩んでいるのか」とか、「この人は何が好きなのか」と考えずに、ただ自分がつくりたいものや、つくりやすいもの提供するというのでは、そもそも最初から相手にならないし、お客さんに嫌がられてしまうことすらあるのです。

*ノウハウ本をいくら真似してもダメな理由

 つまり、社会的なスキルだけを高めようとして本を読んで、そこに出てくる事例やノウハウをうわべだけまねようとしても、対人理解とセルフ・マネジメント、そして大本の自己認識ができていなければうまくいくはずはありません。
 仕事というものは、人間を動かすことによって初めてうまくいくわけですから、相手を動かすためにはこれらのおのおの支え合っている能力が不可欠なのです。

 以上の「能力」は、あくまでも潜在的にその人が持っている能力を表しています。しかし潜在的能力というのは、その実体を目で見ることはできませんから、行動を通じて発現したものを捉えるしかありません。しかしそれが意味しているのは、「こういう行動と同じ行動ができればよい」という話ではまったくないのです。

 もちろん、タイピングの能力が速いとか、マニュアルどおりにサービスできるというふうに、知識や技術から直接、お客さんにサービスをする仕事もあるかもしれません。そういう仕事は付加価値が低かったり、もしくはスポーツ選手やオペラ歌手のように超人的な能力を持つ場合でしょう。あるいは世間ずれした学者の場合は、IQから直接仕事をしているケースもあるかもしれません。
 マニュアル通りのサービスの場合は、確かに対人的なサービスを提供していますが、社会的な広がりに欠けることがあると思います。マニュアルに書いてあるのは教えることのできる「単なる行動」であって、その人自身の能力ではありません。本当に相手を動かすことができるのは、感情や感覚を使って相手との間につくる関係なのです。

*これが顧客志向性やホスピタリティーの根元だ

 わかりやすくて非常にすっきりしたコンセプトだと思います。
 これらの「能力」は各々独立した変数ですが、例えば「誠実性」と「利害調整力」のように密接に結びついている能力もあるようです。
 こうしたEQの構造は、長年にわたる追跡調査の結果、一九九九年ごろ解明されたのですが、さらに研究が進めば、これらの項目に多少の変化があるかもしれません。

 最初に理解しておきたいのは、人が仕事を通して相手に働きかけるときに使う意識の能力というのは、自分の仕事についての知識やスキルと、IQで測ることができる「頭の良さ」とは別のものだということです。
 そして、意識の上では、まず「自分の仕事は何なのか」はっきりと認識するところからスタートして、次に相手が何をしたいのかをよく考えること=対人理解、
 ならびに自分の行動を意識的にきちんとコントロールできること=セルフ・マネジメント、
 この二つが同時に働いて、相手に影響を与えたり、人間関係をつくる行動や仕事ができるというステップになっているわけです。そのときに使っている能力は図の中にある二〇個の能力ですべて言い尽くされているそうです。
 この本では、この考え方に従って、よい仕事をしている異分野のプロフェッショナルたちにインタビューを行い、まず彼らがどのようにして顧客志向性やホスピタリティーを発揮しているかを明らかにし、そこからどのように相手を理解し合い、満足させる仕事をしているのかという「慮る力」を解き明かそうと考えました。

「いや、自分の仕事は単純だから、そんな難しい話とは関係ないよと思われる方もいらっしゃるかもしれません。ところが、どんな種類の仕事でも、良い仕事をしようとするならば、能力の使い方はこのモデルの構造から無縁ではあり得ないと思います。
 それをよく理解するためには、自動車の運転を考えるとわかりやすいのではないでしょうか。


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『慮る力』 お断り この本の目的は、純粋に「ビジネスマンの意識」について論じたものであり、いかなる商品・サービスの購入、団体への加入をも推奨するものではありません。また本書は、あらゆる商品・サービスの宣伝、宗教・政治など諸団体の活動とはまったく無関係です。この本は2001年に取材したものであり、内容が古くなっている可能性があります。

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