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『慮る力』講演会  質疑応答

信仰心を持つ人は
自分と相手の心を常に意識できる


女性 看護学校の教員をしております。今、先生のお話を伺っていて最初からずうっと、私たち看護職に対する仕事を考えながら、お聞きしましたけれども、まさに私たちの仕事が人を思いやるという仕事なんですね。
 自分を「無」にしてということがありますが、この辺、最初に学生にも思いやるだとか、相手の立場だとか、相手の立場に立って仕事をするということは、ずっと教育の中では言っていくわけですけれども、やはり私たちは欲張り、欲がずっとついているもので、なかなかその「無」にするということについて、どうなればいいのかがわからないんですが。
 先生が今まで仕事をなさって、そういう取材をなさっている中で、その自分を「無」にするということだとか、相手の立場に立つということの方法として、信仰、宗教だとか、信仰との関係をどのようにお考えかをお聞きしたいんですけど。

岡本 はい。まずその信仰についての方を先に申し上げますと、私は信仰は持っていないんですけど、実は取材した中で、信仰心を持っているというか、宗教に入っている人は2人か3人くらいいたんです。その人は達人なんです。千宗室さんに聞いたんです。「どうして宗教を持っている人はそういう達人になれるんでしょうね」と。そうするとやっぱり、自分の心に目を向けるからなんです。「信心のある人は、自分の心を振り返る余裕がある」というんですね。
 つまり信仰心を持っている人には、自分に心があるっていうのがわかるし、同じように相手も心を持っているんだと常に理解していると思うんです。ですから信仰を持っているってことは、そういうふうな意味で相手との関係をよくするということに非常にプラスになると僕は思います。非常に過度にその宗教に依存したりするのはまずいわけなんですけど、依存するんじゃなくて、信じるというだけであればいいと思うんです。
 信じることと依存することは違うと思います。みんなやっぱり支え合いながら生きているわけですね。土居健郎が『甘えの構造』の中で指摘していたと思いますけど、お互いが支え合いながら生きていくわけですから。しかしそこで過度に甘えてはならない、過度に依存してはならないということがあると思います。これが、信仰についての関連説明です。

人間力とは、「大人になること」と見つけたり

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