HOME > 慮る力 > 『慮る力』 17

08.JPG

『慮る力』講演会  質疑応答

人は一瞬で相手を感じ取る


男性 私もよく「さりげない」という言葉を使ったり、また大好きなのですけれども、たしか先生、先ほどさりげない協力をもらうというような言葉を表現されたように思うのですが、さりげない協力をもらいたいと思ってなかなかもらえないとも思うのです。
 けれども、こうして目が見えなくなってくると、だれかれとなく、この場面で協力してほしいなということがあったりするわけなのですけれども、さりげなさを引き出す雰囲気とか、タイミングとか、あるいは行動とかそういうものの何かヒントはあるものでしょうか。

岡本 さりげないというのは、さっきの千宗室さんもそうですし、あとこの本の中でゴルフ場の取材をしたんですね。千葉にあるゴルフ場ので全国のゴルフ場の中で一番ここのサービスがいいといわれているゴルフ場がありまして、そこに行ったのですが、15年ぐらいずうっとサービスの追求をやってきて、おととしのテーマがさりげないサービスだったのです。
 それまではこういうサービスをしています、しています、というのが追求してきたわけですけれど、そうすると今度は気詰まりになっちゃいますから、さりげなくいきたいなというテーマにしたわけです。これはサービスの段階が成熟してくるとそういうふうになるのですね。
 同じようにファーストクラスのサービスも、昔は「これもやります、あれもやります」というのがサービスだったのですが、そんなごてごてしたのをどんどん取り去っていって、さりげなさだけ、とにかくさりげなくやった方がいいですよというように、ビジネスクラスのサービスでも今なっていますよね。
 そういうふうに成熟すれば、コテコテしたものから油気が抜けて、さりげなくなってくるわけですが、結局向こうがさりげなく教育してくれるというのは、おっしゃったようにこちらがそれを引き出す必要があるのでしょう。
 もう本当にそのとおりだと思います。それから結局さっき言ったことに返るのですが、自分自身がさりげなくないとまずだめなんです。さりげなくするためにはどうすればいいかというと、もう同じことなんですが、自分がリラックスすることです。だから、自分がぎこちなかったら向こうもギクシャクしちゃいますから、自分が自然であり、自分を無にするということです。

 繰り返しになってますが、なおかつ相手によく注意を向けると、相手に注意を向けて自然な形にしていくということしかないと思うんです。
 一瞬で、人は相手を見抜くっていうか、感じ取るということがあるんです。これは、全日空のケースなんですけれど、飛行機に乗るときに搭乗口のところで、ボーディング・パスを機械に通しますよね。そうするとグランドホステスの人が、そのボーディング・パスを受け取って、そして座席番号がわかるように返してくれますよね。その一瞬の間に、お客さんに歓迎の意思を伝えるというテクニックを持ってる人もいるんです。「一秒間の接客」ということができる人がいるんです。それをビデオに撮って研究した人がいるらしい。さりげなさっていうのを瞬間的に出すことも可能だと思うんです。
 僕自身はそうじゃないですから、じゃどうすればいいのって言われても困るんですけど。そこへのステップは、さっき申し上げたように、リラックスするということ、相手を見るということ、これに尽きるんじゃないのかなということが、私が思うところなんです。あまり答えになっていないんですけれど、方法としてはそれで多分間違いじゃないんじゃないかというふうに思います。

人間力とは、「大人になること」と見つけたり

sign.jpg

人間力とは、「大人になること」と見つけたり