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『慮る力』講演会

基本=相手に心を向け
自分をコントロールする


 そのときに「再就職の方向に早く話をまとめよう」なんてカウンセラーがやってしまうと、信頼が崩れて話が引き出せなくなってしまうし、また本人の気づきも遅れてしまう。あくまでも相手の気持ちに寄り添うことが必要です。
 人間が生きるための答えは、他のどこにもないんです。自分の心の中にあるわけです。そういう強い芯が心の中にあるわけです。それを思い出したら、一度自分が否定されたとしても、また思い出せばそこから自信が湧きあがってくる、それからまたこの先状況が変わったとしても生きていける、そういう価値観をそこから見つけていけるはずだと思うんです。
 そういう芯があるというのは普段意識していないし、またそういう本来の能力もあんまり普段は意識していないんですけれども、どんな人でもそういう強い芯が心の中にあるというふうに僕は思うんです。さっきの「心の力」に近いかもしれません。
 カウンセラーの仕事はそれをあくまでも相手の心に寄り添うことによって引き出していくわけです。そのときにカウンセラーの心ってどうなっているかというとやっぱり同じように「無」になってないでしょうか。つまり自分をそのときは消しちゃってるんじゃないでしょうか。
 相手の心に寄り添っているんじゃないかというふうに思うんです。そういうふうにして自分を消すことによって相手の気持ち、また相手の心の中にある本来の能力を探り当てるお手伝いをすることができるんじゃないんだろうかと思うんです。そういう仕事なんです。

 それで僕は、仕事って3つあると思うんです。1つは物を売り買いする仕事、もう1つは物をつくる仕事、もう1つはサービスをする仕事。今お話した葬儀社と再就職支援はサービスをする仕事です。

  お客さんの心から見てみるとどういうふうに考えられるかというと、物を売り買いする仕事の場合はお客さんが何を求めているかというと、「この人は信頼できるかな」ということです。つまり今どんな物買ったって、例えばペットボトル飲料ですけれど、どのお茶飲んでもあまりそんなにひどいものってないわけですから、買うときには売っている人が信用できるのかどうか、あんまりぼらないだろうかとか、変な物売ってないかなとか、それしか見ていないんです。ですから相手の信頼を勝ち取れれば物を売り買いするプロフェッショナルはできると。

  物をつくる仕事というのは例えばちょうどあちらに展示してあるような機械(ホームページの読み上げソフト、文書の拡大表示ソフト)です。これをつくる場合には何が必要かというと、お客さんのニーズを引き出すテクニックが必要なわけです。

  そしてサービスをする仕事の場合は、お客さんの心に訴えかける技術が必要なんだと思うんです。
 ですからニーズにしても信頼にしても、やっぱり相手の心をとらえることを考えなきゃいけない、一番最初に申し上げたように、相手に心を向けて自分自身の気持ちをコントロールしてやっていくというのが、人と交わるために必要なことになってくると思うんです。

人間力とは、「大人になること」と見つけたり

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