HOME > 慮る力 > 『慮る力』 10

01.JPG

『慮る力』講演会

相手の心に寄り添って
本来の自分を想い出させる


  「そういえばこのときやっていたことってすごく楽しかったよなあ」いうふうに、どんどんどんどん思い出してくる。
 「経理ができます」と言うだけだったら、経理の中で何が得意なのかがわからないわけですけれど、経理の仕事をやっていて、このときすごく面白かったなあ、楽しかったなあ、腹が立ったなあと思い出してくると、「じゃこれがあなたが一番得意なことなんじゃないですか。あなたはこれできるんじゃないですか。本当のスキルというのはこれじゃないですか」というのがだんだん見えてくるんです。
 自分が一生懸命仕事をしていたときのことは、我を忘れてやってますから、順調な時のことは忘れていっちゃうんです。けど、こうやってカウンセラーに話を聞いてもらって自分の過去を振り返っていくと、「そうだ俺はこういうことができたんだ」と本人が気がつくんですね。
 「あなたが一番得意なことはそれなんだから、それをもっと膨らませて書けばいいじゃないですか」
 「そういえばあの時この仕事で成功してすごい嬉しかったよな」と思い出す。そういう気づきがあればあるほど、それは本人の自信の元になるんです。それによって非常に落ち込んでいた本人の元気を復活させられるわけです。
 自分が得意なことに気がついて、その方向で就職をやろうという向きに考えていくわけです。

 その後は再就職活動を始めるわけなんですけれど、そのときになると思い切りがついていますから、カウンセラーにはあんまりもう相談することってないんです。この仕事にするかどうかとか、報酬をどう考えるかとか、そういうアドバイスを求めてくることはあっても、基本的には自分の選択に沿って再就職活動を進められるようになって、もうカウンセラーが精神的に彼を支える必要はないということです。
 そうすると、このカウンセラーの仕事から何がわかるかというと、彼はとにかくリストラをされた人の話を誠実に何でもきちんと聞いて、相手が言っていることに共感して、共感することによって初めてクライアントは「この人は私の言っていることがよくわかってくれるんだ、じゃこの人に何でも話してみよう」というふうに考えるわけです。どんどん話を進めていく中で自分自身の気づきあって、「おれが本当にできるのはこれなんだ」というふうにわかるわけです。
 そういう気づきを引き出すことをやっているわけです。それが非常に転職の成功に役に立つわけです。転職者個人と同じ視点で、一緒に考えて一緒に悩んで、彼を1人の個人として人間として尊重してあげる、そういうことです。相手を相手として認めてあげることが非常に重要なんです。それによってクライアントは、昔自分が輝いていた頃に、気持ちが戻っていけるわけです。

 そういう相手の心に寄り添う気持ちを持っていれば、「相手と一緒にある」ということができるわけです。クライアントの心に手を添えてあげるというような、そういう感じでしょうか。

人間力とは、「大人になること」と見つけたり

sign.jpg

人間力とは、「大人になること」と見つけたり