仙波敏郎愛媛県警巡査部長に聞く「警察裏金告発の行方」

「正義の人」 シナリオ版「仙波敏郎物語」 


 

●善と悪





□列車内

  仙波は警乗している。
  車内でダウン症の青年を高校生たちがからかっている。

仙波「こらっ、あっちに行きなさい」

  高校生たちはしぶしぶ移動する。
  ダウン症の青年は仙波に精一杯の感謝を示す。



□松山駅ホーム

  仙波がダウン症の青年の降車を手伝って、ホームに降りてくる。
  ホームで青年を母親に引き渡す。

母親「ありがとうございます。
 仙波さんのおかげで息子を安心して鉄道に乗せられます。地獄に仏です。仙波さんが戻ってきてくれて本当によかった。ありがとうございます」



□警察庁長官室

  小林たち幹部が会議を開いている。

警察官僚「この新しい清算方式であれば、バレずに裏金をつくり続けることができます」

警察官僚「ただし、これまでと同じ額はつくれません。かなり……半額程度に減ってしまいます」

小林「致し方ない。長官、今年からはこの方法でいきます。われわれ官僚の責任が絶対に追及されないようにすることが最優先です」

警察庁長官「その通りだ。全都道府県警の会計課に徹底させろ。警察組織の維持には、なんとしても裏金が必要だ。この方針に反する者は、未来永劫、警察組織の敵なんだ」

警察官僚「ハッ」



□愛媛県警察学校講堂

  新年度の入校式が行われている。
  校長の白石は生徒総代から服務宣誓を受ける。

生徒「私は、日本国憲法および法律を擁護し、命令、条例および規則を遵守し、何ものにもとらわれず、何ものをも恐れず、何ものをも憎まず、良心のみに従って不偏不党かつ公平中正に職務を遂行することを厳粛に誓います」

  入校式が終わり、教官紹介が終わる。

教官「教官と廊下ですれ違ったら、立ち止まって敬礼すること……。
 以上、何か質問がある者はおるか?」

  ひとりの生徒が挙手して起立し、質問する。

生徒「ハイ、質問があります。愛媛県警にはもう裏金はのうなったんでしょうか?」

  それを聞いた瞬間、
  白石以下教員全員が凍りつき、一言も発することはできない。

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この物語は事実に基づいていますが、一部の登場人物、警察幹部間のやりとりなどは創作しています。またいくつかのエピソードは場所を変えたり、実際より省略、時間を前後させて描いています。