仙波敏郎愛媛県警巡査部長に聞く「警察裏金告発の行方」

「正義の人」 シナリオ版「仙波敏郎物語」 

●報告書のでたらめ





□古茂田弁護士事務所

  古茂田、今井、東、仙波が話している。

今井(パソコンをいじっている)「流出した捜査資料の中に、21人分の捜査費の報告書を見つけましたよ。マスキングされてない、生の報告資料を初めて手に入れたんです」

東「宛名は刑事部長か。
 ……にかかる殺人・死体遺棄等被疑事件につき捜査し、情報提供謝礼を交付したのでその状況について報告する。
 ……これらの協力は、本件の解明に重要な情報と認められ、今後の協力依頼の意味合いを含めて謝礼の交付を行ったものである。
 よし、この人たちに電話して、実際に領収書を書いて捜査費をもらったかどうか確認してみましょう」

  資料を基に、ハンドフリーの電話をかけ始める。

市民「……えっ、私が警察に協力したかって、何かの間違いでしょ」

市民「……警察に領収書? そんなの書いた覚えはありませんよ。なんですかそれは?」

市民「……警察にお金? わしは払ってないぞ」

古茂田(仙波に)「この人は殺人犯を問いつめて自供させてるわ。それで謝礼を払ったと書いてある」

子供「……もしもし」

仙波「青野幸人さんいらっしゃいますか?」

子供「ぼくです」

古茂田「あなた何歳?」

子供「小学5年生」

仙波(古茂田と顔を見合わせながら)「青野君ねえ、君、去年警察と一緒に殺人犯を逮捕しましたか?」

子供「お母さーん、変な電話がかかってるよ」

東(呆れた表情で)「これで領収書が、県警が捜査費用を市民に支払った証拠であるという県警の主張は崩れたな」

古茂田「しかしどうしてこんなウソ(解説図リンク有り)が平気でつけるのかしら」

仙波「ウソ……ウソと言えば……。(いきなり思い出す)そうだ、あの時に! 菅が裏金についてしゃべっているのを、テープに録音したんだった」

古茂田(勢い込んで)「そのテープ持ってるんですか?」

仙波「すっかり忘れとった」

今井「なぜ早く言わないんですか!」

東「ほうよ! 何しよんで」

仙波「ごめんなさい!」

東「県警もそんなふうに謝らにゃ、罪は消えんなあ」

  一同、仙波があまりにも素直に謝るので、思わず笑う。

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この物語は事実に基づいていますが、一部の登場人物、警察幹部間のやりとりなどは創作しています。またいくつかのエピソードは場所を変えたり、実際より省略、時間を前後させて描いています。