仙波敏郎愛媛県警巡査部長に聞く「警察裏金告発の行方」

「正義の人」 シナリオ版「仙波敏郎物語」 


 

●陰険ないじめ体質





□愛媛県警本部通信指令室

  仙波は県警本部10階にある、
  県内の110番通報を24時間受ける通信指令室に着任する。

仙波「仙波敏郎巡査部長、本日付で通信指令室企画係に着任しました」

通信指令室長「確認しました。よろしくお願いします」

仙波「ほんで、いったい僕の仕事は何なんでしょうか」

通信指令室長「うん、とりあえずは何もないんや。座っとってくれるかな」

仙波「座っとるだけですか」

通信指令室長「何か用があったら指示するから。椅子に座っとってくれ」

仙波「座ってくれ言われても……」

  仙波、しぶしぶ通信指令台横の椅子に座る。

仙波(しばらくして切れる)個人の机くらいないんかい!」

通信指令室長(仙波の剣幕に押されて用度課に電話する)「あー、通信司令室に仙波さん用の机椅子持ってきてくれるかなあ。うん、適当でええけん」

  オンボロ机が運び込まれてくる。不満そうに見ている仙波。
  しかたがないので、キーキー鳴るボロ椅子に座る

仙波(しばらくして切れる)「電話はないんかい! 電話は!」

通信指令室長(しぶしぶ用度課に電話する)「あー、通信司令室に仙波さん用の電話持ってきてくれるかなあ。うん、適当でええけん」

  仙波は部屋の中央の机に座って、
  ちょうど窓の外に見える松山城を眺めながら時間を過ごす。
  12時になったので、食事しようと仙波は廊下に出る。
  廊下ですれ違う人は、みんな仙波の方を見ないように顔をそむける。
  白石が顔を壁に向けながら歩いてくる。

仙波「おう、むち打ちにでもなったんか」

  白石は聞こえないふりで通りすぎる。
  仙波がエレベーターに乗ると、乗っていた人間が次の階のボタンを押して、
  エレベーターの箱から逃げ出す。仙波はひとりでエレベーターで降りる。
  途中の階でエレベーターのドアが開く。
  仙波の顔を見た瞬間、乗り込もうとしていた警察官がハッとして後ろに下がる。

仙波「どしたんぞ、空いとるが、早よ乗れよ」

警察官「いや、ちょっと用事を思い出したけん。どうぞお先に」



□県警本部地下1階食堂

  仙波は地下1階でエレベーターを降り、食堂に入る。
  仙波が食堂に入った瞬間、ざわついていた食堂が水を打ったように静かになる。
  仙波がとりあえず空いている椅子に座ろうとすると、
  その周囲の7人が盆を持って一斉に席を立つ。
  異常を感じた仙波が思わず食堂を出ると、また再び食堂がざわつき始める。

  仙波は疲れ果てた表情で東に電話する。

仙波「参ったで東君、食事ができんのよ」

東「待っとれよ、僕が行くけん」

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この物語は事実に基づいていますが、一部の登場人物、警察幹部間のやりとりなどは創作しています。またいくつかのエピソードは場所を変えたり、実際より省略、時間を前後させて描いています。