仙波敏郎愛媛県警巡査部長に聞く「警察裏金告発の行方」

「正義の人」 シナリオ版「仙波敏郎物語」 

●結婚





□愛媛県内の国道

  仙波たちがスピード検問をしていると、
  派手なスポーツカーが検問を突破した。

菅「くそっ、手配されとった暴走車や」

土井「仙波、無茶するなよ! 危ない!」

  仙波は身を挺して車を止めようと車の前に立ちふさがるが、
  車はスピードを落とさず仙波に突進してきた。
  仙波はジャンプしてボンネットの上に乗り上げ、
  車から転げ落ちるが、すぐに白バイにまたがってスポーツカーを追跡する。



□廃工場

  容疑者が廃工場に逃げ込んだので仙波もよろけながら後を追う。

仙波「出てこんかあ。どこにおる」

  容疑者はいきなり横手から突然襲いかかってきて、
  仙波の胸にナイフを突き刺した。

仙波「熱っ。何すんじゃあ」

  仙波は犯人を蹴り飛ばし、拳銃を構え、犯人に警告した。

仙波「動くな、動くと撃つぞ!」

  犯人が威圧されて動けなくなった時、
  土井や菅たちが突入してきて犯人を取り押さえた。

土井「逮捕じゃ、逮捕する! 犯人確保!」

菅「仙波、仙波あっ、大丈夫かあ!」

  仙波は気を失ってしまう。



□病院の病棟個室

  仙波が犯人逮捕で負傷して、ベッドに寝ている。
  菅・土井が見舞いに来る。

菅「おまえ仕事ではホントにムチャするのう。まあこのくらいのケガで済んでよかったわい。おまえと1緒におったら、こっちの寿命も縮むがあ」

土井「八重子さんがつききりで看病してくれて、不自由なかろう。今日退院できるんか?」

仙波「ああ白石、明日から勤務に戻れるらしいぞ」

土井「よっしゃ、戻ってきたら今までの貸しは倍にして返してもらおか」

菅「やめといてくれや。これ以上コイツにがんばられたら、こっちの身が持たんぞ」

  八重子が部屋に入ってきたので、菅・土井は目配せして、あいさつして出ていく。
  八重子が正装しているのに2人とも驚いて顔を見合わせる。

仙波「どしたん、そんな格好して」

八重子(沈んだ表情で)「敏郎さん、お別れを言いにきたんよ」

仙波(驚いてベッドの上に起き上がる)「ええっ!」

八重子「実はお母さんから聞いとったんよ。敏郎さんにええお見合いの話があるいうて。お母さんはそのお相手のことをすごい気にいって、私のことで悩んでいらっしゃったって。
 私はこれ以上お母さんを悩ませたくないけん、お別れしようと思っとったんやけど、あなたのケガが治るまで看病させてくださいいうてお願いしたんよ。今日が退院やけん、おつき合いも今日までと思って、ご挨拶にきました」

  仙波の母親が病室に入ってくる。2人の様子を見てハッとする。

仙波「お母さん、ひどいやない。勝手にお見合いの話を進めたり、八重子さんに別れるように言うたり。なんでそんなことするんよ」

母親 ごめんね、敏ちゃん。でもね、あなたにはお父さんがおらんので、ずいぶん苦労させたやろう。母子家庭の八重子さんと結婚したら、敏ちゃんには1生お父さんがおらんことになる。やけん、あんたの結婚相手はご両親がいらっしゃる人のほうがよかろう思うて、お見合いの話を探したんよ。
 でも八重子さんが毎日毎日熱心に敏ちゃんのことを看てくれるけん、心苦しくてね。八重子さん、すまんかったね、バカな母親のわがままを許してくれんかねえ」

仙波(八重子の方に向き直って)「八重子さん、僕と結婚してください。
 母がこれまで言うたことは全部忘れてください。母も悪気はないんです。僕はあなたさえおってくれたらええ。あなたが私を治してくれたみたいに、僕もあなたと家族を守って、一生あなたと添い遂げます」

八重子(涙を流しながらうなずく)「はい」

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この物語は事実に基づいていますが、一部の登場人物、警察幹部間のやりとりなどは創作しています。またいくつかのエピソードは場所を変えたり、実際より省略、時間を前後させて描いています。