仙波敏郎愛媛県警巡査部長に聞く「警察裏金告発の行方」

「正義の人」 シナリオ版「仙波敏郎物語」 

●拳銃実射





□夏、拳銃庫前

  生徒たちは、厳粛な顔をして警察学校の拳銃庫前に集合している。



□警察学校射撃場

教官「今から拳銃を実射する。銃を出せ。弾を5発込めえ」

  弾を込める手が緊張で震える。

教官「銃口を人に向けるな言うたろうが!」

  銃口を他人に向けた生徒が教官に殴られる。

教官「弾倉改め。右を見よ。左を見よ。
 撃ち方用意! 始め!」

  教官の号令に従って最初の10人が一斉に引き金を引き、
  実弾射撃する。さらに4発発射する。

教官「……弾倉を開いて薬莢を抜け。拳銃収め」

  次に仙波達の番になり、仙波は引き金に手をかける。
  最初の1発を撃ち、後は無我夢中で射撃する。



□その晩 仙波達の寮の部屋

  拳銃は拳銃後に格納してあるので、
  仙波達は入口のドアにかけた帯革を見つめながら話をしている。

仙波「しびれたのう、拳銃実射。まだあの感覚が腕に残っとるぞ」

土井「最高やが。何かこう、自分がえらい強うなったような気がするのう。ポパイとか、鉄腕アトムみたに」

白石「お前ら物騒やのう。拳銃なんか実際に使わんに越したことなかろが」

菅「ほやけどお前、わしら、すごい力を手にしたんぞ」

仙波「お前はアホか。何のために警察官になったんぞ。
正義を守るため、弱きを助け、悪をやっつけるためやないんか。やけん拳銃を貸与されとるんやろ。違うか?」

土井「そうやったな。正義は最後に必ず勝つ」

仙波「お前ら頼りないのう。僕は警察官として、社会正義実現のため、先頭切って走るぞ」

菅「わしがお前に遅れを取るわけがなかろが」

仙波「ほったら、僕らで同期のトップを取ると拳銃に誓えるか。今拳銃がないけん、あの帯革に誓えるか?」

白石「ちょい待てえや。社会正義いうんは、県警のトップになるいうことなんか?」

仙波「警察なんだから、いちばん正義を貫いた者が、いちばん出世するはずやろが」

白石「ノンキャリのトップというたら、刑事部長と松山警察署の署長やな」

菅「おう、わしらは愛媛の治安を守る。そして愛媛県警のトップになると拳銃に誓うぞ!」



□警察学校卒業式

校長「卒業証書。生徒総代、仙波敏郎……」

校長から生徒総代として卒業証書を受け取る仙波。
うれしそうにそれを姿を見つめる母親。

b.pnga.png

この物語は事実に基づいていますが、一部の登場人物、警察幹部間のやりとりなどは創作しています。またいくつかのエピソードは場所を変えたり、実際より省略、時間を前後させて描いています。