仙波敏郎愛媛県警巡査部長に聞く「警察裏金告発の行方」

「正義の人」 シナリオ版「仙波敏郎物語」 

●告発の決意.2





古茂田「「仙波さん、なぜあなたのような優秀な人がずっと巡査部長なのか不思議だったんですが、その謎がやっと解けましたよ。
 けどね仙波さん、今の話を私が話したとしても、世間はとても信じてくれんでしょうね」

仙波「そうでしょうねぇ。でもこれは、われわれにとっては普通のことなんです。公然の秘密、知る人はみんな知っている。警察はみんな、そういう世界にどっぷりつかってるんです」

古茂田「「どうでしょうか、今の話を、記者会見を開いて仙波さんご自身の口から実名で言うてもらえませんか」

仙波(間を置かず)「ええですよ。おそらくこれが、警察の裏金を告発する最後のチャンスになるでしょう」
 古茂田先生、僕は息子の事件まではひとりで裏金と闘っとったんです。そして今はもう抜け殻になっとったかもしれません。でも先生方と1緒に、もう一度闘ってもええ思いますよ
 でも先生、これから道後で、高校の同窓生の新年会があるんです。その話はまた改めて。では~」

  風のように去っていった仙波を茫然と見送る弁護士たち。

今井「なんか、風のような人ですね。現職警官が告発会見なんてほんとにしますかねえ。いったいどういう人なんですか?」

古茂田「「彼は仙波敏郎。県警本部内でほぼ最年長の55歳にして、階級は一番下の巡査部長。33年間巡査部長という警察官は全国を探しても彼しかいないのよ。柔道剣道空手合わせて8段を保有。拳銃指導員資格を保有。指名手配犯の逮捕による管区局長表彰1回。最優秀警官としての表彰2回。どこの署でも、検挙数・少年補導数・交通違反摘発数、すべて突出して成績優秀。まさに理想的な警察官なんです」

今井「ええっ、スーパー警察官じゃないですか。そんな人が愛媛県警にいたんですか。
 でも、なんでそんな優秀な人が昇進できないんですか。それになんで先生と知り合いなんですか」

古茂田「「なにが原因なのかは、私もよくは知らないんです。
 ただ、ある事件があって、仙波さんに弁護を頼まれたのが、彼と知り合ったきっかけなんです」

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この物語は事実に基づいていますが、一部の登場人物、警察幹部間のやりとりなどは創作しています。またいくつかのエピソードは場所を変えたり、実際より省略、時間を前後させて描いています。