仙波敏郎愛媛県警巡査部長に聞く「警察裏金告発の行方」

東玲治 仙波さんを支える会世話人に聞く「高裁判決の行方」

仙波:「世直し判決」を期待

仙波さんを支える会世話人
東玲治 氏  

運営者 08年9月30日に、高松地裁で仙波さんが起こしている国家賠償訴訟の高裁判決が出るわけですが、これは現職警官でただひとり警察の不正を告発している仙波さん側がまちがいなく勝つことになるでしょう(実際、勝ちました)。
 これまでの控訴審で、愛媛県側が勝てる要素はひとつも出てきていないですからね。彼らがやっているのは引き延ばし工作だけみたいですね。地裁判決は、「本件内部告発内容の真実性を安易に否定することはできない」と、警察の裏金の存在を認めています。高裁で負けると愛媛県は最高裁に上告するはずですが、最高裁は不受理扱いで判決確定するでしょう。
 つまり仙波さんの正しさが証明されるということになるわけですが、この高裁判決の意味するところはいったい何なんでしょうか。

仙波  僕は、裁判所が「県警が僕から拳銃を取り上げたことは違法である」と認定してくれるのではないかという甘い願望を持っています。
 もしそうであれば、日本の司法は捨てたものではないですよね。

東   僕はそこまで踏み込まないと思うけどね。
 一審判決では、仙波君から拳銃を取り上げたのは「上司の裁量権の範囲である」としているが、それはこちら側の控訴理由にもなっているわけで。「拳銃を持たせない鉄道警察隊員というのはおかしいから、通信指令室への内勤に変えました」という逃げ道を与えているから、違法と認定して当たり前なんだけれど、一審判決がそう認定しなかったのは、裁判所はやはり行政庁には甘いということでしょうね。

運営者 それで、仙波さんが求めているのは百万円の損害賠償なんだけれど、別にお金が欲しくってやってるわけじゃないですよね。

仙波  そうですね。僕は、判決によって「警察はしっかりしてくれよ」と、お尻を押してくれるような判決を期待してるんです。
 これからの若い警察官、下の立場の者に対して、「今はもう、仙波のようなことを言っても通るよ。だから君たちはまともにやれよ」という判決になるだろうと。

運営者 「世直し判決」になるということですか。

仙波  そうです。実際、若い警察官は僕にはお礼を言ってくれますから。
 警察がまともになっていくということは、他の官庁も怖いんです。つまり、社会保険庁が不正をしていても、役人が居酒屋タクシーに乗っていたとしても、彼らは全然怖くないんです。だって取り締まるところが不正をしているわけですから。しかしこれからは、裏金なんか怖くて作れないという、日本全体をいい方向に向けていくような判決が出ることを期待しています。

東   僕は、何も変わらないと思うけどね。
 そんな生易しい体質じゃない、日本は腐りきっている。おそらく警察庁は、「これは愛媛県警のちょっとしたミスだった」といったようなコメントを出すでしょう。

 

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