仙波敏郎愛媛県警巡査部長に聞く「警察裏金告発の行方」

仙波敏郎 愛媛県警巡査部長に聞く「裏金告発の行方」


 

子や孫のため、裏金をやめないと大変なことになる

愛媛県警巡査部長
仙波敏郎 氏  

仙波  JR松山駅で、全国でもここだけと言われているのは、県庁所在地にある駅なのにホームレスが全然いないんです。
 ホームレス対策にも僕なりに取り組んできましたから。これは何年もかかりました。僕が来たときには、朝から酒盛りしてましたから。冬は暖かいし夏は涼しいですからね、だから彼らが集まってくる。
 そのことがありましたから、歴代駅長にはすごく感謝されています。それが僕らの仕事なんです。だけどそれをやったからといって、事件事故ではありませんから、警察的には何も実績にはなりません。それよりも誤認逮捕でもいいから逮捕すれば窃盗犯1件になるんです。みんなそっちを取っちゃうんです。

運営者 警察官の仕事って何なんでしょうね?

仙波  「何か困ったことがあれば、警察に相談しに行けば何とかなる。物を取られたら、警察に行けば一生懸命探してくれるんだ」という信頼感が最低限必要だと思うんです。今は、それがないんです。ニセ領収書を書かせる方も、書く方も、それをやった瞬間にその信頼感が失われることを知るべきなんですね。

運営者 偽領収書を書いて裏金づくりに協力した時点で意識が内向きに、組織の方を向いてしまうということですね。

仙波  正義を守り、弱きを助けるという気持ちがあれば、本当は裏金作りに必要なニセ領収書は書けないはずなんです。僕は書きませんでした。書いた時点で、その気持ちをドブに捨てることになるわけです。
 領収書は踏み絵ですよ。わが社には踏み絵は多いんです。

運営者 その踏み絵を踏むことによって、仲間として認められ、警察一家の中で上に上がっていくことができるんですね。
 それよりも、今後の警察は市民のことを考える方向にいくべきだと。

仙波  それを一番にするべきです。そうしていれば、警察を信頼してくれますから、いろんな情報も寄せられてくるんです。
 裏金の問題については、「県警幹部の皆さんはもうすぐ退職でしょう。だから、気にもしない。だけど自分たちの子供や孫のためを考えれば、裏金を今すぐやめなければ大変なことになりますよ」ということを僕はいつも訴えてきたんです。

運営者 裏金を得ることで警察の規律を破壊し、社会的に必要な警察の機能を弱体化することで、将来世代への負担を増やしていることになるわけですね。つまり自分たちの子供や孫を搾取していることになるわけだ。

仙波  この間岡山に車で講演に行く途中、愛媛県のサービスエリアでコーヒーを飲んでいたら、年配のご婦人がやってきて、「仙波さんですか?」と聞くのでそうですよというと、普通なら「頑張ってください」といわれるところ、いきなり「ありがとうございました」と頭を下げられました。
 「そういうお礼のお言葉は初めてでしたが、僕何かがしましたかねぇ?」と尋ねると、「仙波さん、あなたは私たちのために告発をしてくれたんです。だってこんなこと告発しても、仙波さんにとっては何のプラスにもならないでしょう。自分を捨ててわれわれのためにしてくれたんだから、お礼を言いたかったんです」。
 それを聞いて僕は「ああこの人は、すべてわかってくれている」と思い、嬉しかったですね、非常に

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