仙波敏郎愛媛県警巡査部長に聞く「警察裏金告発の行方」

仙波敏郎 愛媛県警巡査部長に聞く「裏金告発の行方」

「仕事をやる気がない男」指名手配犯を捕まえる

愛媛県警巡査部長
仙波敏郎 氏  

仙波  「仕事をやる気がなかった」というのには僕はカチンときましたね。鉄道警察隊は国鉄が民営化されてJRになると同時に発足して20年ですよ。愛媛県の鉄警で捕まえた指名手配犯は、20年間で2人だけです。その2人とも、私が捕まえたんですから。私しか仕事してないじゃないですか。その私がやる気がないっていうのはどういうことですか。

運営者 警乗だけやる気がなかったとでも言うのでしょうかね。いかにも無理がありますね。

仙波  通信指令室から鉄警に戻ってきても、「仙波はやる気がない」という声が聞こえてくるんですよ。その時僕は、三重県警が指名手配していた指名手配犯を捕まえました。「仕事をしない」と言われてる仙波が捕まえたんですから。いい気分でしたよ。

「仕事をやる気がない男」指名手配犯を捕まえる運営者 やる気のない人間が、指名手配の犯人を目ざとく見つけてつかまえることができるもんなんでしょうかね? サツ回りの記者に訊くと、指名手配を捕まえるというのはなかなかできることじゃないんだそうですね。指名手配犯の顔をすべて覚えていて、一致させて、職質で認めさせないと逮捕できないわけですから。

仙波  県警は書類上で、僕が実際はこの指名手配犯を逮捕したという事実を消しましたけどね(笑)。

運営者 おそらく県警側は、仙波さんの名前を消してしまうことについても、「自分たちは正当なことをやっているのだ」と考えているのでしょうね。
 彼らにとってはウソをつくのも平気なのでしょう。なぜなら仙波さんは「組織の敵」で、県警側は犯罪を犯しているんだけれど組織を守っているのだからまったく構わないのだ。正当なのだ、と考えているのでしょう。

仙波  なんなんでしょうね、僕には分かりません。それで、大儀名分が立つと思ってるんでしょうかねえ?

運営者 大義名分って、法律を犯した者を取り締まるのが警察でしょ。でも自分たちが法律を犯していても、「それはいいんだ」。そんな話通るわけないじゃないですか。

仙波  でも通ってますよね。
 僕が警部補やってる後輩に、「僕はもう疲れたから、お前、第二の仙波にならんか?」というと、もちろん冗談でですがね、「仙波さんこらえて(許して)くださいや、うちはまだ子供が学生なんです。家のローンが残ってるんです」と泣くように言うので、「真実を話したら、クビになるのか?」と聞くと「そりゃあクビになるでしょう」と答えます。クビにさせられると思い込んでるんですよ。
 だから「僕のクビはついてるぜ」と言うと、「いや、仙波さんと違って僕は偽領収書を書いてますから、仙波さんと立場が違うんです」とみんな言いますね。そう言いながらも陰では「仙波さん、がんばってください」と言ってくれるんです。
 裁判に勝っても、「仙波さん、よかったですね」と言ってくれましたが、「よかったですまさないで、お前がひとこと証言してくれたら、私も偽領収書を書きましたと言ってくれたら、裁判はすぐに終わるんだが・・・」と、言ってやるんですがね。

運営者 ほんとですね。それを立証するのが大変なわけですから。こんな簡単な話ありませんよ。

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