仙波敏郎愛媛県警巡査部長に聞く「警察裏金告発の行方」

仙波敏郎 愛媛県警巡査部長に聞く「裏金告発の行方」

「やめたほうがええ。あんた裸にされるで」

愛媛県警巡査部長
仙波敏郎 氏  

運営者 そしてホテルに泊まったのですが、その晩はさすがに眠れなかったそうですね。何を考えられましたか?

仙波  尾行しているということは、力ずくで僕を止める気かなと。検察の裏金を告発しようとして逮捕された大阪高検の三井元検事のケースを考えた。そうすると明日の朝弁護士事務所に行こうとしたとき、口実を作って逮捕するつもりかもしれない。考えなきゃいけないなと。
 母親にも告発前夜に電話をして、「息子は死んだと思ってくれ」と言ったくらいですから、こちらも覚悟はしているのですが、ひょっとしたら大げさなことになるかもしれないなと思いますしね。
 恐らく息子のことがぶり返されて、そのことで周りに迷惑をかけるだろう。告発をすることは躊躇しないけれど、親兄弟に迷惑をかけることになるだろうということを考えていました。

運営者 それで、まんじりともせず夜が明けたと。

「やめたほうがええ。あんた裸にされるで」仙波  ホテルに入ったのが午前1時くらいで、朝7時くらいに携帯電話のスイッチを入れると、自宅の留守番を頼んだ義妹から「ずっと表に人がいる。朝早くから電話も何本かかかってきている」との連絡でした。
 「だれからだった」と聞くと「K課長」ということで上司がかけていたんですね。「連絡がつかんと言っておいてくれ」と伝言しました。また東会長にも「今日やるから」と電話しました。
 例の県会議員も私の携帯にたびたび電話していたみたいです。電話して「いろいろ心配してくれたみたいやけど、わし今日記者会見やるけん」というと、「今からでも遅くない、やめたほうがええ。仙波さん、あんた裸にされるで」と最後は声が高かったですよ。
 裸にされるというのは、息子のことを言われるという意味ですよ。「それはわかっとるが、わしゃ(弁護士さんと)約束しとるけん」といって電話を切りました。
 そしたらもう一度、義妹から電話があって、7時過ぎでしたが、「今、誰かがが玄関に来た」というので、「適当にあしらっといてくれ」と言っておきました。

運営者 玄関をノックしたのは県警の人たちだったわけですね。何を意図していたと思われますか?

仙波  とりあえずは、説得しようとしたんでしょうかね。力ずくで拘束する気でいたのかもしれません。僕は抵抗したかもしれません。公務執行妨害などに問われたかもしれない。連中がどこまで、手はずを整えていたのか、今となってはわかりませんがね。

運営者 三井さんみたいに後ろ暗いこと(?)はないわけでしょう。

仙波  それがあったら、確実にやられてましたよ。でも僕には、そういうものはありませんから。
 前の日から行方をくらましたのは、結果的に正解だった。あの日もし僕が自宅に帰っていたら、身柄を抑えられていたかもしれない。

運営者 そして記者会見をやって告発を行い、拳銃を取られ、懲罰的に左遷され、周りのみんなから相手にされなくなってしまったわけですが、それから500日間の間、仙波さんが一番覚えておられるはことは何ですか?

仙波  500日間に、講演依頼がたくさんきたんです。休みじゃないときは有給休暇をとって行きまして、かなり気分転換になりました。

運営者 それはよかったですね。

仙波  ほんとです。必ず東会長と一緒で、なにかあるとまずいので必ず彼が運転してくれて。

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