仙波敏郎愛媛県警巡査部長に聞く「警察裏金告発の行方」

仙波敏郎 愛媛県警巡査部長に聞く「裏金告発の行方」




得難い友情

愛媛県警巡査部長
仙波敏郎 氏  

仙波  県警本部には食堂があります。昼休みにはごったがえします。僕は妻がいないので弁当もないし、いつも食事はそこでとることにしていました。
 すると、僕が食堂に入る瞬間までざわついていたのに、僕が入ったとたんにシーンと静まり返るんですね。最初は偶然だと思い、気にもしませんでした。
得難い友情 それでトレイを持って、4人掛けのテーブルに腰をかけると、そのほかの3人がパッと散ったんです。その時僕は、まだそれがなぜかに気付きませんでした。「食事が終わったんだな」とくらいにしか思いました。で、黙って食事をして食堂から出ると、またざわめきが戻ったんです。

運営者 そんなに周囲に緊張を与えていたんですね。

仙波  翌日もその翌日も同じことが起きました。同じように「シーン」となり、僕が席に着くと同じテーブルのひとが一斉に席を立つんです。
 「あっ、これは僕と一緒の席にいることがマズいんだ」と気付きましたね。僕がいると、みんなのせっかくの憩いの場所を取り上げてしまうことになる。皆が気兼ねする、と。
 それで支える会の東君にその話をすると「分かった。僕が付き合ってやるよ」といってくれました。2月3日から配転が取り消されるまでのおよそ500日の間、彼は、県警本部から10キロも離れた自宅から、毎日12時が来たら県警本部の前に車を横付けしてくれて、僕を昼飯に誘い出してくれました。毎日ですよ。
 彼は昼は食べない主義でしたが、コーヒー一杯呑んで、僕はご飯を食べて。それを500日続けてくれたんです。

運営者 それもすごいお話ですね。得難い友情です。
 その間、県警の幹部は裏金で飲み食いしてるんだらかなー。ふざけた話だなあ(怒)。

仙波  当時は僕も、神経張りつめてましたからわからなかったけど、立場が違って、僕はそういう付き合いをすることができたかと尋ねられたら僕には自信がないですよ。

運営者 仙波さんは勇気ある告発を行うことによって、県警2800人の中で独りぼっちになってしまったということですね。

仙波  僕が思ってた以上に、組織は徹底していたということですね。僕はそこまではやらないだろうと思っていましたから。

運営者 それで17年の2月に、100万円の国家賠償請求訴訟、人事委員会への不服申し立て、鉄警隊時代の警乗手当ての支払い提訴を起こされた。

東   それとは別に、弁護団と支える会が、住民訴訟を2件起こして、今も争っています。

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