「死なば諸共」と思っている旧日本人には通じない

桜内ふみき 氏  


運営者 仕訳まで作ったんですか。すごいというか、なんというか、恐れ入りましたとしか言いようがないですね。それはもう、土台がしっかりしてる上に、しっかりした体系を組み上げているわけですから、正面からの反論はまず難しいでしょうね。
 だけど、「桜内さんは信託法とおっしゃいますが、それは信託法のどこに載ってるんですか?」と聞かれませんか。この概念は、日本の信託法上の「信託」ではないわけですから。

「死なば諸共」と思っている旧日本人には通じない桜内  確かに、「信託という概念を使うのはどうだろうか」という声がなかったわけではないんです。そう聞かれたら、日本国憲法前文に載っている信託という表現に基づいているんですよと答えるわけです。
 「そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて」と書いてあるでしょう。それでもまだ文句があるなら、アメリカ独立宣言とか、ジョン・ロックに文句を言ってくださいとね。

運営者 すごいな、それは(笑)。

運営者 しかし思うに、ここで桜内さんがぶつかってっておられるのは、さっき僕が言った、「自分と他人を分けて考えようとしない」旧日本人の性向だと思うんです。旧日本人の間では、「他人と同じ処遇であるのならば構わない、この先どうなろうと、下手をしたら死んでもいい」と思っているきらいがあるんですね。「死なば諸共。ともに堕ちて行こうよ地獄の底まで」、という傾向があるんです。

桜内  「アカウンタビリティをはっきりさせて責任を明確化させるぐらいだったら、死んだ方がましだ」ということですよね。

運営者 おっしゃる通りです(笑)。今や東証の時価総額の15%は、政府系金融機関などの公的部門が所有しているんです。今回の日銀の買い取りを含まない数字でですよ。そうすると、そのような人たちがアカウンタビリティを意識せず、好き勝手に振る舞っていて、いったい全体大丈夫なのかということですよ。
 コール市場も消滅してしまっていて、銀行にお金を出しているのはもはや日銀だけになってしまった。日本の資本市場、金融市場は、もう終わってしまった。すでに金融恐慌以後の世界に突入しちゃってるんですから。

桜内  おととし暮れの特殊法人改革は、私も見ていましたが、財投制度、公的金融部門を改革して資本市場をどのように設計し直すかというのが本当の問題だったと思います。
 銀行がこのていたらくであれば、より多くのポートフォリオをつくらないとダメだと思うんですね。そうすると、政府系金融機関は民営化したほうがいいという結論しか出てこないですよ。それで前職の時は、上司からは「お前、何考えてるんだ」って怒られたんですけどね(笑)。

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