現役世代と将来世代の利益を考える視点

桜内ふみき 氏  


桜内  「財政民主主義」についてなんですが、憲法によればあらゆる財政政策上の判断は国会の議決に基づかなければならないことになっています(第7章)。公債発行限度額については、財政法財政総則により、公債については国会の議決を経ることになっています。
 しかしこうした制度の下では、選挙権を有する現役世代の利益に沿った決定はできるでしょうが、それでは将来世代、まだ生まれてきていない世代の利益は政策決定上、十分考慮されているでしょうか。
 受益者というのは、将来世代も含みうるわけです。むしろ将来の納税者も含む概念なんです。

現役世代と将来世代の利益を考える視点運営者 しかしですよ、本来は、それを考えるのは国民の側でなければならない。あるいは全国民の代表者である国会議員でなければならないはずですよね。だって自分の子供のことなんですから。
 賢い選挙民であれば、それを投票によってコントロールすることもできるはずではあるわけですが。

桜内  そのとおりですし、さらに本当に将来のことを考えられる国会議員が集まっていれば、国会でコントロールすることもできるはずなんです。

運営者 ところが?

桜内  そうなっていないところをみると、将来世代の利益がどこまで失われているかということを、数字で明らかにする必要があると思うんです。今の状態ではそれが分からないんです。
 現役世代と将来世代の利益を考えるという点が公会計のひとつのポイントである、と言えると思います。

運営者 「有限の資源を誰がどのように使えばよいのか」という議論に通じるところがありますね。

運営者  この発想は非常によく理解できますが、しかし一般の人がこの議論について来られますでしょうかね。なかなか難しいんじゃないですか。非常に先進的なコンセプトですからね。

桜内  確かになかなかご理解いただくのは難しかったのですが、でも体系だった反論は来なかったですね。
 私は「信託」の概念から、「税金は国民の出資金」と考えるところから出発して、財政の全体を一貫仕訳の複式簿記に整理しました。仕訳まで全部作って、公共部門向けの実用的な財務会計ソフトの開発に取り掛かっています。
 これに対して、感情的に認めがたいという反応はありますけど、理屈としては反論しにくいでしょうね。

運営者 仕訳まで作ったんですか。すごいというか、なんというか、恐れ入りましたとしか言いようがないですね。それはもう、土台がしっかりしてる上に、しっかりした体系を組み上げているわけですから、正面からの反論はまず難しいでしょうね。

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