NPMは世代間の負担の公平化を考慮しているか

桜内ふみき 氏  


桜内  まず行政の受託者責任を明確にする必要があります。
 国民は納税を通して、政府に経済資源の運用を委託しているわけです。政府は国民から預かった資源の受託者として管理運用する責任があります。国民は政府の顧客というよりは、「財産的資源を拠出する外部者かつ構成員であり、また受益者」として位置づけることができるでしょう。
 それから「税金」については、
1)政府における納税者の持ち分資本
 か、あるいは
2)政府が提供する財サービスに対する対価
 であるかによって会計上の処理は変わってきます。私は、先ほどから話しているように納税者の政府に対する出資であり持ち分にあたる資本である、と考えているのです。

NPMは世代間の負担の公平化を考慮しているか運営者 ここは、議論の分かれるところでしょうね。「受益と負担」というコンセプトで公共コストについて語っている研究者にはなかなか受け容れがたい考え方だと思います。

桜内  ええ、「国民を政府の顧客と見立てて、その満足度を最大化する対象とみる」という考え方もあります。最近、一種の流行でもあるニュー・パブリック・マネジメントもその流れにあります。そうするとね、現役世代についてはそれで説明がつくのですが、将来の国民はそこに入ってこなくなっちゃうんです。
 財政の機能として、「時間軸上の資源配分を適正化することにより、世代間の負担を公平化する」ということがありますからね。現在と将来をつなぐための資源をどこから調達してだれがどのように使うかは非常に大切な問題です。
 ストックがない世界であれば、今年入ってきた税金をどのように使うかという非常に簡単な話ですむわけですが、少なくとも現に負債と資産がある以上は、時間軸を考えないわけにはいきません。

運営者 うーん、そう言われれば、納得せざるを得ませんね。なるほどねー。
 そのような問題意識を持たれるのは非常によくわかります。現在の財政赤字の累積は、将来世代に確実に累を及ぼすレベルに積み上がっているわけですから。
 さらには、今現在のデフレを克服するために、あるいは自分たちが徒食するために、高速道路をどんどん造って将来世代にこれ以上新たな負担を押しつけようとする態度が一般的であるというのは、あまりといえばあまりのことですよ。

桜内  「財政民主主義」についてなんですが、憲法によればあらゆる財政政策上の判断は国会の議決に基づかなければならないことになっています(第7章)。公債発行限度額については、財政法財政総則により、公債については国会の議決を経ることになっています。

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